今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:27,911 hit
小｜中｜大
日常38:いざ出陣 ページ39
私の言葉に一瞬間を置いて口を開く総悟。
｢……あの野郎たちの股間が心配でな｣
｢……だろうと思ったわちくしょう。もういい早く行こ。食べ物なくなっちゃう｣
もういいわこのパターン。飽きたわ。
ぷいっと顔を背け私は出店がたくさん並んでいる公園の中へと足を進める。
｢っわ……！｣
急ごうとしたせいか小石につまづき私の体が大きく揺らぐ。
やば、こける……！
ガシッ
｢……あぶねェな｣
……き、危機一髪……。
転けそうになった私の腕を総悟が掴んでくれたおかげでこけなくてすんだ。
総悟はそのまま私の腕を引っ張り体勢を直してくれる。
｢慣れねェ下駄で走んな｣
｢あ、りがと｣
｢行きやすぜ｣
私の腕から離した手を今度は手のひらを上に向けて優しく差し出してくる。
祭囃子や人混みの喧騒はうるさいはずなのに一瞬何も聞こえなくなったような気がした。
あぁ、なんでこんなに……
｢？さっさとしろィ。俺ァ腹減ってんだ｣
｢お、おお！｣
フリーズした私を怪訝な目で見てくる総悟に私ははっとなり、差し出された手をぎゅっと握ると総悟の手は軽く私の手をにぎり返す。
｢じゃいざ出陣と行きましょか！！｣
｢屋台全部食い尽くしてやらァ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらんぼ | 作成日時：2018年6月19日 7時
