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日常30:夕日 ページ31

「つかれた……」
「もう動けねェ……」




私たちは遊び疲れ、もう日が落ちてきた海辺でゼイゼイと息を整える。青かったはずの空を見上げながら。





「馬鹿みたい……海に来て、ここまで本気で遊ぶの私たちくらいだよ……」
「子ども心忘れちゃ、人間おしまいでさァ……」





少し呼吸が落ち着いてきた頃、私は、はぁ、とひとつため息をつく。かなりいた周りの人たちはいつの間にかいなくなり、私たちだけになっていた。



そりゃそうか。こんな時間まで水着で遊んでる私たちのがおかしいか。




「へっくしゅんっ!……あー寒い……」



海だということもあって夜はさすがに冷えるな……。このまま濡れた水着きてたら絶対風邪ひく。




「そろそろ帰りやしょう……寒ィ……」
「そうだね……」




総悟のその言葉に私たちはむくりと起き上がる。



その時、私はその景色に飲み込まれた。
馬鹿みたいに総悟とはしゃぎまくってたから気が付かなかった。




「……」
「……桜?」




海、綺麗……。
夕日がキラキラ水面に映ってゆらゆら揺れて……。




「……どうした」





既に立ち上がって帰る用意をし始めていた総悟も私につられ、海に目を向ける。

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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2018年6月19日 7時

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