日常29:絶壁だと……? ページ30
「……?」
「立て」
「っおわ!!っなになになに……っ!」
言われるがままその手を取り立ち上がると突然抱き抱えられる。
「み、みられる!!なに!下ろして……っ!」
「鼻つまんどいた方が身のためですぜ」
「え、ちょ……っわぁ!!!」
意味深にそういうと、そのままダッシュして海の方へ向かう。いろんな人達の視線を集めながらそのまま総悟は……。
「オラ行って来やがれィ!」
「嘘でしょっ……!?ちょ、まっ」
ザボンっ!
そのまま私を海に投げ入れた。浅かったのが幸か不幸か溺れはしなかったがお尻を強打した上、鼻や口や目やら、穴という穴に海水が入り込む。
「っううぅっ!ぺっ!塩からっ!お尻痛っ!何すんの!?」
海水から顔を出し、口に入った海水を吐き出す。そして総悟を見るといつものドSヅラで私のことを見下ろし……いや、見下していた。
「しけたツラしてっからだろィ」
「なっ……」
「……水に濡れれば少しはいい女に見えると思ったが相変わらず絶壁には変わりねェな」
「……」
あーなんだろう……。さっきまで落ち込んでたのにこの気分は……。
水浸しで、まぁ海なんだけども。かき氷はないし、恋人に海水に落とされて、お尻強打して、海水鼻に入って……。
そして悪びれもせず絶壁だと……?
「胸は関係ないだろ胸は……」
「関係ないんじゃなくて、ないんだろィ。胸が」
あぁ、これは殺意というものか……。
プツンと私の脳内でなにかかが弾ける。
「っテメーにも海水の味わからせてやるァァァッ!!」
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2018年6月19日 7時