スクラップ･ティーチャー【４】 (ページ8)

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【教頭(矢吹)side】

杉「木ノ内のトレーニングを認めてやってください、お願いします！」

教頭「まだそんなこと言ってるんですかぁ！？」

杉「久坂達が木ノ内の店を手伝ってまでも木ノ内の気持ちを大事にしようとしてるんです！そんなの見たら俺…」

＿ﾊﾞﾝｯ!!

松尾「そのせいで朝から電話がなりっぱなしだったんですよ！」

杉「え？」

教頭「金田、日置、高崎の保護者からクレームの電話があったんですよ！

中学生を勝手に働かすなんてどういうつもりだって！」

杉「ですからそれは！」

崎田「ちょっと行き過ぎだよね～」

豪徳寺「こっちにまで余計な仕事増やさないでね」

滝「余計な仕事なんてあるんでしょうか」

豪徳寺「えぇ？」

滝「仕事は仕事なんじゃないですかね」

豪徳寺「非常勤講師って口だけは立派ね～」

教頭「ときかく！たかがマラソンのことで次から次へと問題を起こさないで欲しいんですよ！」

杉「木ノ内にとってはたかがじゃないんです！」

高須「新人！」

杉「木ノ内は今、一生に一度しかないチャンスという気持ちでいます

その気持ちを無視するようなことは俺にはできません！」

教頭「生徒のためなんてかっこつけてるつもりかもしれませんけどねぇ

言うだけだったら簡単ですよ。言うだけだったら私だっていくらだって言いますよ！

だけど、尻拭いするのは誰なんですか、ペコペコ頭を下げるのは誰なんですか！

面倒臭いことは全部私がやってるんですよ！」

杉「俺も頭を下げます！」

高須「いい加減にしろよ。本当に採用取り消しになるぞ」

杉「かまいません」

杉先生の言葉に教師全員が目を見開いた

教頭「本気で言ってるんですか？」

杉「はい」

高須「前言撤回、前言撤回、な？ほら」

杉「撤回しません」

高須「お前！」

杉「先生を辞めることになっても俺は、俺は今を取ります

一生懸命頑張ってるあの子達の今この時を見失いたくありません

あの子達にとっても、木ノ内にとっても、今この時は二度と戻らない

架け替えのない時間ですから」

杉先生は頭を下げ、職員室を出て行った

高須「ったく」

教頭「なぜだ、なぜそんなにまでして生徒のことを…」

滝「バカ、なんでしょうね」

教頭「採用取り消しにしてやる…絶対してやる…」ﾎﾞｿｯ

私の中で黒い感情が浮き出てきた。