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しおり「あれ、A今日早くない?」
『もうね、今週は時間がないって分かってるからさ』
しおり「あー、例の再訪アポか」
『やけ酒を力に変える時がきた』
しおり「たまにあんたの脳内心配になるわ。じゃあ今週末こそ、美味しいお酒飲めるようにがんばろ」
『っ!しおり大好き!ついでに高いお肉も希望』
・
しおりのおかげで気合が入った私はそれから仕事に没頭した
正直、このクライアントだけを回してるわけじゃないから次から次へと新しい仕事はくるけれどそれもこなしつつ、既存のクライアントのフォローもしつつ、、、
前「よっ、頑張ってる?」
例の引き継いだ企業の前任でもある、
私の尊敬している先輩が久々にここに顔出してくれた
『っ前田さん!!!』
前「…なんかお前老けた?」
『いや、辞めてくださいよ。まだこれでも20代なんで』
前「いやでも四捨五入したら…うん、ごめんな?」
相当、私のにらみが効いたらしい
『あの、実はご相談があって___』
前「あーーー、あそこな!
実は俺も前任から引き継いだ時に、全く同じ経験してるんだわ」
“でも言ったらつまんないだろ〜?”って
のんきに自分で差し入れしたお菓子を食べてる
『いや、どれだけ私がそのせいでやけ酒したと思ってるんですか』
前「ふはっ、やけ酒!!!!」
やべぇ腹いてぇって笑い転げてる
前「でも、その場ですぐ謝罪して再訪アポを約束したのはさすがだな。あの人、確かにちょっとめんどくさいところはあるが、しっかりした提案を持っていけば真剣にきいてくれる」
自分の実力がもろに出るクライアントだからこそ、お前に任せたんだぞって
『はい、私前田さんと比べてばっかりでした。引継ぎの情報だけに頼りきってました。もう一回自分なりにしっかり見つめ合ってみます』
前「うん、それでいいと思う。きっとうまくいくよ」
『っありがとうございます!』
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作者名:らいな | 作成日時:2020年4月2日 22時