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青「綺麗やろ?
ここ田舎の方やから、
街の灯りが結構遠くにあって、
空がめっちゃ広く見えるやんか。
これが気持ちよくて、お気に入りやねん」

黄「よぉ見つけたなぁ…こんなとこ…」

景色に見入っていると、
流星は ふふ、と微笑みながら、
柵に手をかけて空を見上げた。

青「むかーしな、色々あってしんどかった時、
気ぃ紛らわそうと車で適当にうろうろしてたら、
たまたま見つけてん。
広い空と遠くに輝く光見てたら、
不思議と落ち着いてきてさ。
それ以来、疲れた時とかはたまーに来てたわ。
まぁ最近は、すぐ近くに癒しの存在があるから
事足りててんけどな」

隣に立った俺を流星は優しく撫でる。

青「でもちょっと前に、なんかいきなり思い出して。
ふらーっと来てみたら、昔と変わらず
綺麗なまんまやったからさぁ、
淳太にも見せたいなって思ってんよ」

そう言って流星はまっすぐ立ち直し、
俺を正面から見つめた。

青「これが俺の、俺だけの大事なもん。
そーゆー、他の人にはあんま知られてないような
自分だけの大事なもん、特別なもんを、
淳太と共有していきたいねん」

黄「…っ」

まるでプロポーズのような
シチュエーションとセリフに、
ときめきと動揺を隠せず俺は固まってしまう。

それに気付いていないらしい流星は、
なんやこれ、プロポーズみたいやん、と
頭を掻きながら恥ずかしそうに笑った。

無自覚かい!タチ悪っ!

青「まぁ、俺は一生淳太とおるつもりやけどな。
メンバーとしても、恋人としても」

そう言って流星はまた柵に手をかけ、
景色に目を移した。

…そんなもん、俺やって。

黄「…なぁ流星、俺も考えとくよ。
俺だけの大事なもんで、
俺と流星だけの大事なもんにしたいやつ」

俺も柵に両手を乗せ、流星の方を向いて言う。
顔を覗き込むように首を傾けて腕に頭を乗せると、
見上げた先の流星は手で口元を押さえながら
ふいと反対の方を向いてしまった。
理由は知ってる。やって今のはわざとやもん。笑

1つ息をついてこちらに向き直った流星は、
ゆっくりとマスクを外して微笑んだ。

青「…愛してるで、淳太」

ポケットに自分のマスクをしまうと、
流星は俺のマスクをそっと外し始めた。
顔を上げて身を委ねると、背中に腕が回ってくる。
俺もぎゅっと抱きしめ返し、

黄「俺も、世界で一番愛してる」

とびっきり可愛く笑いかけてやった。

ニヤリと笑った流星は、
俺をしっかり抱きしめながら
優しく唇を重ねた。

けんか→←2



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とも(プロフ) - いつも更新を楽しみにしていました。かわいくてもどかしくて少し悲しくてでも愛に満ちていて、読んでいて幸せでした。大好きです!続きがあるとのこと、お待ちしています。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: ecd8d176d9 (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2021年1月10日 2時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
とんとん(プロフ) - あ、 、、ちょっと泣きそうになりました...ほんとに大好きなお話です!これからもずっと読ませてください! (2021年1月9日 7時) (レス) id: 5329dbae7e (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - この後の展開も楽しみです! (2021年1月8日 19時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ が 。(プロフ) - 喧嘩のとこで別れた時は本当に泣きそうになっちゃいました 笑 仲直りして 、 結婚までいけて嬉しすぎます 笑 つい感情移入しちゃうぐらいリアルでとてもきゅんきゅんします 笑 有難う御座いますっ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 2da2fede4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年11月6日 22時

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