46. 温度差。 ページ48
(2012.01)
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サングラスを外した手越さんはパァッと明るい笑顔で「Aちゃんじゃん！」と名前を呼んだ。
『こんにちは。』
「えっ、何でいんの！？」
「ね！やっぱそうなるよね！？」
「いやなるでしょ！」
『あの、お仕事で……。』
「仕事！？なんの！？」
「お前俺と全く反応してるわ。(笑)」
目を丸くして小山さんに詰め寄る手越さん。本当にお二人とも同じ反応……。
私と小山さんを交互に見て「スゲェ…」って呟いた。うん、それも一緒だ。
「スゲェな！でもこの前会ってからもう会えないんだろうなーって思ってから嬉しいわ！」
『私も嬉しいです。(笑)』
「まさかこんなとこで会うなんてなぁ。」
「いや本当吃驚だよね。(笑)」
『あはは……。』
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「………おはよございます、」
突然後ろから聞こえた声に振り返ると、少しだけ眠そうに頭をかく加藤さんが入ってきた。
掠れ声で如何にも眠そう……。
あくびをしてから椅子に荷物を置くと「何してんの？」と問いかける。
「シゲ！凄いよ！ビックニュース！」
「……え？なんで？」
「ほら見てよ！」
『わっ、』
いきなり私の肩を掴んだ手越さんは、ぐるりと私の体を加藤さんの方に向けた。
反動で加藤さんと視線が重なる。
じっと見つめられる視線に何だか居心地が悪くて瞬きを繰り返した。
「覚えてる！？お正月会ったAちゃん！」
「………あぁ、大我の幼馴染みの？」
「そう！！」
「………何でいんの？」
「仕事だって！凄くない！？」
「へぇ〜……。」
「え、反応薄っ」
「まぁまぁ。(笑)」
テンション高めな手越さんと、朝だからか若干不機嫌そうに見える加藤さんの温度差が凄い。
加藤さんっていつもあんな感じなのかな……。
そういえば、この前会った時もあんまり話に入ってなかったっけ。
("………何でいんの"ってちょっと怖かったな。)
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作者名：aki | 作成日時：2020年8月27日 1時
