【歌い手】君と共に、甘い日々を…*【短編集】

＊ ページ47

Aside



『急にごめんね 。』


「別に 。」


『珠ちゃん … 』


「あがれば 。」


『ありがと 。』


「喧嘩 … ？」


『うん … 』


「よかったね 。」


『えっ ？』


「愛されてるんだよ 、それ 。」



家から抜け出すと珠-tama-ちゃん、私の幼馴染みのもう一人の家に泊まることにした。はっきり言って人と関わりを持たない主義で、学校なんてもってのほか、外に出てるのか心配なくらいだ。珠ちゃんは笑わない。笑った顔なんてみたことない。


どうして？珠ちゃんは自分を捨てて私を庇った。“捨て子！”なんて私をからかう奴等に向かって珠ちゃんは“私が捨て子 。ばかじゃないの 。”と言った。その日からだ。私は普通に戻って、珠ちゃんは家から出ない日々になった。珠ちゃんはいつも“後悔しないよ 、私が決めた道だから 。“それが口癖だった。


“愛されてるんだよ”なんて言った珠ちゃんの何も読ませないようなリンとした表情が昔と重なった。庇われてばっかりの無力な自分がいつもそこにいた。もしもあの時、私が立ち向かっていたら変わってたのかな、私ばっかりだから…



「後悔してないよ 。」


『なん 、で … 』


「元から 、人と関わりたくなかったもん 。」


『でも … 』


「明日 、早めに帰って 。」


『え … 』


「私があげた人生 、幸せになってよ 。」


『珠ちゃん … ？』


「約束 。志麻さんと仲良くなってね 。」


『わかったっ … ！！』



志麻くん、ごめんね。私、ちゃんと向き合うから。待っててね。


＿＿後悔しないアタシが決めた道＿＿




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
大丈夫 … 大丈夫 …
頑張れ … 私 。
弱音なんかダメ 、助けてなんて言っちゃダメ 。
立ち上がるんだよ 、私 … !!

＊→←イラスト貰いました!!

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