【歌い手】君と共に、甘い日々を…*【短編集】

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S「Aさんっ … ！！」


『Souくん … 』



Souくんは10分もしないうちに来た。“はぁ 、はぁ … ”と息があがっているSouくんに申し訳なさを感じて“ごめんね 。”と言って今日たまたま取れた部屋に入ってソファーに座る。



『 … コーヒー 、淹れるね 。』


S「あ 、ありがとうございます ！」


『砂糖は好きにどうぞっ 。』


S「はーい ！」



お互いに落ち着いて、コーヒーを飲んでいるとSouくんが真剣な顔になって、こちらを向く。逸らすことが出来なくて、全て話すことを決めた。“別れる気なんかないよ”と涙目のSouくんに告げてから。



S「Aさん 、教えてください 。」


『あのね … 』



何一つ隠さず、彼の目をじっと見ながら。時折、Souくんが悲しそうにしたり、傷ついた顔をするので泣きそうになりながらも“強い顔”をしながら話す。



S「ごめんなさいっ … ！でも僕はっ … 好きですっ … ！！」


『わかってるよ 。私も好きっ 。』


S「無理しなくていいです 、明日帰ります 。」


『 … Souくん 、待って ！！』



“明日帰ります”そう言ってスマホを取り出すSouくんを止める。私は変わった。Souくんの御母様に認められないまま、付き合い続けるのは嫌だ。



S「Aさん .. ？」


『Souくん 、私 、強いんだよ ！ちゃんとSouくんの彼女として認めてもらうから ！』


S「Aさん … 無理しないでね … ？」


『うんっ 。』


S「でも 、心配 … 」


『Souくん 。』



どことなく止めようとするSouくんの言葉を遮る。私は目を見て、笑って見せる。私がやる気になったときの顔だ。Souくんは観念したかのように、苦笑いしていた。



S「頑張ってね 。」


『頑張るっ 。』



そう言って、おでことおでこをくっつけ合う。



私、強いからね。

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