【ポケモン】彼女は赤い果実の味を知る (ページ3)

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50話ページ3

「本当に良いんですか？私がガラルに行っても」

そう言い、私は彼に尋ねた。先ほど、彼からの提案で、次の旅の場所はガラルにしないか？と。良い提案だと思ったが、ガラルまでのチケット代がないと言うと、私の分まで用意してくれたのだ。なんとも申し訳ない。

「大丈夫だぜ。こことはまた違うポケモンに会えるからな」

そう彼は言い、列車に乗る。空港からガラルの中心に行くには列車に乗り変えることが必要だった。列車に乗ると、彼が席を見つけたようだった。私は、彼の元に行き彼が見つけてくれた席に座った。しばらくすると、列車は少しずつ動き出した。私は、列車から外の景色を眺めていると、彼が尋ねてきた。

「そういえば、Aってどこ出身なんだ？」

「実は、イッシュ地方なんだ。カゴメタウンっていう町でね」

そう言い、私は苦笑した。故郷にいた時はあまり思い出したくない。そう思っていると、彼は更に聞いてきた。

「手持ちのポケモンとは、何がきっかけで出会ったんだ？」

「彼らは、前のトレーナーから捨てられたの。後は、人間の勝手な憶測で。特に、最初に会ったポケモンはサザンドラなの。この子と会った時は、とても悲しい現実を見たの。」

サザンドラと会った時は、サザンドラがモノズの時だった。モノズの特徴と言えば、前髪で前が見えないため、噛みつく習性がある。また、レベルもかなり上げないとなかなか進化できない。

それを嫌ったのか、首に縄を巻かれ、木に括り付けられていた。また、可哀想なことに前髪が無様に切られ、所々に叩かれたのか殴られたのか、傷や痣が残っていた。

私は、モノズをパートナーにすることを決めたきっかけだった。それ以来、捨てられたり、怪我を負ったポケモンを助けていたら、今の手持ちになっていた。

「………まぁ、こんなきっかけですね。」

「……大変だったんだな、Aも、こいつらも」

そう言い、彼は沁々とした表情を浮かべた。すると、列車の放送が鳴り響いた。

「どうやら、もうそろそろだな」

そう言い、彼は私に外を見るように視線を送った。私は、外を見てみると綺麗な景色が広がっていた。