96話 ページ4
「よーし！今日も張り切って作っていきますよ〜」
「はい、頑張りましょう、A」
これ程までに自分を偽ってきたのが役に立つとは思わなかった。以前より演技に拍車が掛かっているきがする。磨弓もノリノリで合わせてくれるし…
私と磨弓は朝から昼は花の都で陶器屋を営みながら反乱の意思を持つ侍達に決戦の日と集合場所が書かれた紙を配り、夜は九里で埴輪兵士を作り、それを蔵へ運ぶという作業を繰り返している。手配書のこともあって、念のため私はA、磨弓はお弓と呼ぶことになっている。
「さぁさ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい！
新しい皿が焼き上がったよー！」
少し拙げなお弓の呼び込みは意外にも好評で、素直で嘘が吐けなさそうなところが好感度アップに繋がっているようだ。
勿論陶器の売れ具合もなかなかのもので、今じゃヤクザの頭領である狂四郎親分に贔屓にしてもらっている。このワノ国ではなかなか見ることの出来ないファインセラミックス製の陶器なのだから人気になるのも当たり前だ。
ファインセラミックスとは材料を高純度にし、欠陥制御や粒界構造制御などを行うことにより、耐熱性、耐摩耗、耐食性や電気絶縁性に優れた性質を持つセラミックスのことだ。普通なら大きな機械が必要になってくるが、ハニハニの実にかかれば問題ない。お陰で人が集まり、侍を見つけるのは簡単になってはいるけれど…カイドウ、オロチの部下も多く集まっているのでいいことなのか悪いことなのか何とも言えない。
「Aちゃんの作る皿はホント良い色してるねぇ」
「そう言っていただけると、作りがいがありますね！」
人が良さそうなお爺さんにこにこと笑顔を浮かべながら、絶賛する。このお爺さんは確か…花の都で有名な料亭四季の亭主だ。プロに褒めて貰えるとは思っていなかったが…凄く嬉しい。一味の造形家として鼻が高い。
「A〜！竈門の様子見て来て下さ〜い」
「はーい。任せてお弓！」
お弓からの合図で屋内へ戻る。
活気のある屋外と違って、屋内は静かだった。お弓から竈門の様子を見て来て欲しいと言われたが、実際はそんなことをする必要はない。何故なら、ハニハニの実は成型から焼き上げまで自動的に行える能力だからだ。つまりは陶器を作るのに人件費も材料費も掛からない。私はこの隙間時間に能力でぱぱっと皿を大量生産している。
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
