97話 ページ5
「今日も疲れたねー、お弓」
日も沈み、夜となった。店を回しながら、反乱の意思を持つ侍探しをするのはなかなか大変だ。名前の呼び方やワノ国に適した話し方などにも気を配らないといけないし…ここ数日店を閉じた後はバタンキューである。
「お店は私に任せて、休んできて下さい」
お弓の言葉に甘えて、畳の上に寝転がる。こういう時は疲れ知らずの埴輪は羨ましい。
ガラガラ…
戸が開く音がしてパッと起き上がる。だが、戸の前にいた人物を見るや否や力が抜けた。
「トラ男…また、来たのか？」
「嫌そうな顔するな。お前の能力が暴走していないか見に来てんだ」
この花の都に店を出して以来、トラ男はほぼ毎日のように私の元へ顔を出していた。ワノ国に来た日…もしもの時は助けて欲しいと頼んだのは確かだし、ドレスローザで負った怪我もまだ治ってないけど…ちょっと心配しすぎな気がする。
「どうせ、お前もこの後九里へ行かなきゃなんねェんだ。用心棒だと思え」
夜中に女二人で歩くのは物騒だから有り難いことなのだが…私もお弓も億越えの賞金首なんだけどなぁ…
「とりあえず、飯をくれ。腹が減った」
トラ男は草履を脱ぎ、部屋へ上がると、畳の上に座ってくつろぎ始めた。トラ男はいつも店が閉まる頃にやって来てはご飯を集る。そしてその後トラ男は九里まで送ってくれる。それがルーティンになりつつある。初めの頃は驚いたが、だんだん慣れてきた。
「ゔっ…私料理苦手なのに…」
これは事実だ。作れないことはないが、ごく普通のお味のものしか出来ない。ナミやウソップは結構上手なので羨ましい限りだ。
「上手かろうが、下手だろうがなんでもいい。お前の飯を食いたいだけだ」
すごい口説き文句だ。男慣れしていない女子校育ちの私にはキツい。決して口説かれてる訳じゃない…はず！恋愛なんかしたことない私はこれ以上考えるべきじゃない。忘れよう！
それにしても…四皇の本拠地なのに、全然緊張感がない。ドフラミンゴとの取引の時、トラ男はピリピリしていたのに…ルフィの影響が大きいのかな？
「なんだ？」
「緊張とかしてないのかなって…」
「してるぞ？」
普通にそう答えられ、少し驚いた。トラ顔って全然顔に出ないんだ。
〜
ワノ国編プロフィール
陶器屋 A ［A］ 主に制作
お弓 ［磨弓］ 主に接客
能力を使って安く質の良い陶器を提供する人気の陶器屋を営んでいる
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
