誂えられた異世界人 (ページ10)

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8話ページ10

「こんなとこで会えるとは思わなかった。よかった！あん時ゃ本当にありがとう！」

「私からも…うちのキャプテンも私も無事でいられたのはあんたのお陰だ。ありがとう」

ルフィに「お前も礼言いたいだろ？」と言われて、乗っけてもらっていた茶ひげから降りて、トラファルガーの元へ向かい、改めて礼を言った。私はハートの海賊団が女ヶ島を出る前に、ちゃんとお礼は言ったが、それだけでは足りないほどの恩がある。

「…よく生きてたもんだな、麦わら屋。だが、あの時のことを恩に感じる必要はねェ。あれは俺の気まぐれだ。俺もお前も海賊だ。忘れるな」

トラファルガーはルフィを見てそう言った。一瞬だけ私を見たが、目が合うとすぐ逸らされた。気づかないうちに嫌われるようなことをしてしまっていたのだろうか。

「スモーカーさん！」「スモさーん！」

後ろから沢山の声が聞こえた。スモーカー…聞き覚えがありすぎる名前だ。少し嫌な予感を感じた。

「あれ？もしかして海軍？」

予想通り、白いコートを羽織った男たちがこちらに向かってくる。ただ、少し違うのが…いつもの海軍とは違い、柄の悪そうな、海賊のような海兵であるという点ぐらいだろう。

「ルフィ、A！急げ、ここはヤベェ！」

ウソップに促され、茶ひげの背中に乗り込む。

「うん！そうだ、おいトラ男！ちょっと聞きてェんだけど！」

「研究所の裏へ回れ…お前らの探し物ならそこにある。また、後で会うだろう。互いに取り返すべきものがある」

トラファルガーはルフィが尋ねる前にそう答えた。しかも意味深な言い方だ。互いの取り返すべきもの…私達の取り返すべきものは仲間だろう。なら、あの男の取り返すべきものって何なのだろうか。

それに何故、あの男は七武海であるにも関わらず、海軍と戦っていたのだろうか。

〜〜
トラファルガーの言う通り、研究所の裏には皆んながいた。少し…いや、かなりおかしなことになっていたが、元気そうなので一安心だ。

そして段々と吹雪が強くなってきたので、しのげる場所で今の状況を整理することとなった。