33話 ページ35
「お前…そんなこともできたのか?」
ウソップが私の代わりに説明してくれた。トラ男が私を感心するような目で見てきたので、ちょっと気恥ずかしい。
「!」
そんな中、前方に目立って仕方のない真っ白なスーツと帽子で身を固めた3人組が歩いてきた。あれは…CP0だ。私はすぐに帽子を深く被って、顔を隠した。
昔見たことがあった。確か…3 、4年前のことだ。今でもはっきり思い出せる。私は…私達は…あの日…
奴らのせいで…
「何してんだ?お前ら…」
ウソップが私とロビンに尋ねる。ロビンは小さな頃から政府に追われているから、すぐ気づいたのだろう。
彼らは気付くことなく、私達の横を通り過ぎた。
「CP0…何しにここへ?」
「も…もしかしてCP9と何か関係が?」
「その最上級の機関よ…彼らが動く時にいいことなんて起こらない」
「確かに…」
私は少しの間、そのまま動くことができなかった。
「大丈夫?A」
ロビンが気にかけてくれていたようだ。
「あぁ…あんな奴らがここにいると思わなくて、ちょっとびっくりしちまった!」
笑顔でそう返しておいた。
…私が異世界人であることも、この世界に来てから麦わらの一味に入るまでの過去も、決して皆に知られたくないから、隠してるんじゃない…
…知られてはいけないから、隠してるんだ…
…
取引45分前を切り、私達はグリーンビットへの橋を進んでいた。
海面から大きな三角の背びれがいくつも突き出している。とても不気味だ。
どうやら、足音に敏感なようで次々と獣のような気配がこちらへ向かってきているのがわかった。
そして…1匹、いや一頭が海面から飛び出し、鉄橋を突き抜けようと突撃してきた。
鉄は曲がってしまった。
「闘魚って、てっきり魚かと」
「魚じゃねェか」
「もう魚じゃねェだろ!アリャ」
「海獣と変わらねェ!獣だ!」
顔は牛っぽい…
「大丈夫だ。コイツらが何とかする」
トラ男はそう言って、私達を指差す。
「お前がやれよ!七武海」
茶番を繰り返しているうちに闘魚が再び、向かってきた。しかも3頭同時に…
ウソップ、ロビン、私で一頭ずつ倒せば、いいだろう。
コンクリートの橋から刀を生み出し、構える。
コンクリートだから土で作った刀より少し重いが、本物の刀と比べれば、相当軽い。
私の標的の闘魚が顔を出した。
一気にスピードを上げて走り、闘魚の目の前で跳ぶ。
「切刃!」
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんころ | 作成日時:2021年6月20日 18時