誂えられた異世界人 (ページ29)

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27話ページ29

皆んながゾクゾクと甲板の中央に集まってくる。

…

『同盟を組んで四皇を倒す！？』

「四皇か！いいなそれ」

「よくねェよ！」

もう知っていることなので、黙って話を聞いていると、サンジがチョコレートのデザートと紅茶を出してくれた。糖分を取れってことだろう。いわゆる生チョコ的なやつだが、家庭で作るものとは物が違う。めちゃくちゃ美味しい。流石一流コックである。

ここからが本題という雰囲気になったので、トラ男の声に耳を傾ける。

「パンクハザードでお前らに頼んだのはシーザーの誘拐…俺はSADという薬品を作る装置を壊した。

新世界にいる大海賊達は大概海のどこかにナワバリを持ち、無数の部下達を率いて巨大な犯罪シンジゲートのように君臨している。

とにかく今までとは規模が違う！
一海賊団で挑んでも船長の顔すら拝めやしない。

…だがあくまで裏社会。海軍に目をつけられねェように必要な取引は闇の中で行われる。その中で最も信頼と力を持つ男がドフラミンゴだ。

闇の名をジョーカー…さらに今ジョーカーにとって最も巨大な取引相手が四皇百獣のカイドウ」

「んな！」「！！」

錦えもんと確か…モモの助君が驚いた顔をする。モモの助君に至っては竜の姿になっているから、悪魔の実の能力者なのだろうか？だが、錦えもんもそれに関して知らないようで、ルフィから聞いて今納得したようだ。

「俺達が狙うのは四皇カイドウの首だ。
つまり、コイツの戦力をいかに減らすことができるかが鍵！

今、カイドウはジョーカーから大量の果実を買い込んでいる。人造のゾオン系悪魔の実、スマイルだ」

スマイルという単語は聞いたことはあった。かなりの大物達がこぞって手に入れたい代物らしい。だが、手に入る可能性は大変低く、その理由はスマイルをとある海賊団が買い占めているからだとか…私はそこまでしか知らなかったが、それが百獣海賊団だったと今繋がった。まさか、スマイルの正体が人造悪魔の実だとは思わなかったけれど…

「人造なだけにリスクはあるようだが、現に今かいどあの海賊団には500人を超える能力者がいる」

ナミ、ウソップ、チョッパーは顔を真っ青にしていた。

「…だが、能力者が増えることはない」

トラ男はそう言って、シーザーの方に目を向けた。