誂えられた異世界人 (ページ27)

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25話ページ27

頭を使い過ぎてフラフラしながらも、ウソップの後について部屋へ誰にも気付かれることなく、侵入することに成功した。だが、部屋の雰囲気はおかしく、囚人達はボロボロと涙を流し、放心状態のまま突っ立っていた。

どうやら囚人達もシーザーの本性に気づき始めたようだ。だが、まだ信じられないようだった。

私はウソップとアイコンタクトを取り、もう少し様子を見ることにした。埴輪に指示をして、海楼石の錠だけは先に手に入れておいたけど…

…

「…ホントに俺たちをただのモルモットだと…！？」

囚人達がその事実を受け止めざるを得ない状況になった。

やるなら、今だろう。

ウソップと顔を見合わせて、頷く。

そして、囚人達の目の前に立った。

「傷心のところ悪ィが！その操作席譲ってくれるか？仲間をガスから守りたい！」

ウソップと私の登場に辺りは騒めく。私は立っているのがやっとだったので黙っておくことにした。

「！？そうだコイツ…麦わらの一味！」

「今の全部見てたんだな…くそったれ！…そうさ、俺たちはたった今大きな裏切りにあった」

「もう終わりだ。あの男を敵と知っても…俺たちはここから逃げられねェ！」

「だが…お前らも同じだろう！お前らの船長がたった今逃げたのを見たか？」

「ハハ！ざまぁみろ！お前らを置いてどこかへトンズラする気だ！」

流石に目に余る発言が多い。言い返してやろうとしたが、ウソップに止められる。

「…オイオイ！おれの前でうちの船長を侮辱するのか？

あいつがおれ達を裏切るような男なら…いくらか楽だったかもな！

こちとら尻尾巻いて逃げ出してェのに…どこまでもどこまでも際限なくおれ達を信じてやがるから…

しまいにゃ、こっちが折れちまったよ！だったら、命の限り応えてやらァってな！

…見てろ！シーザーはルフィの最も嫌いなタイプの人間だ。ルフィはシーザーを許さない」

ウソップがそこまで言い切った時、中央のモニターでルフィがシーザーをぶっ飛ばした映像が流れた。

ウソップの言葉も、シーザーがやられたことも未だに信じられない囚人達はやけくそになって、私達の方に銃口を向けた。

今度は私の番だ。

おぼつかない足取りで囚人達の前へ出る。

〜〜
ハニハニの実の能力に関しては、キリの良さそうなところで設定をまとめたいと思います。