誂えられた異世界人 (ページ19)

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17話ページ19

チョッパーとトラ男が出発した後、ロビンが私の隣に座った。

「警戒してるのね？彼のこと」

ロビンには、トラ男に耳打ちした内容がバレていたようだった。

「多少は、な…悪いヤツではないと言い切れるけど…私達の敵ではないとは言い切れない」

ロビンは確かにねと言って笑う。

「でも、助けてもらったのに…こんなに警戒するのって、失礼だよなぁ」

「フフッ…そこまで重く考えなくても、いいんじゃないかしら？現に彼、私達にほとんど情報を与えてないもの。シーザーを捕獲する以降のシナリオは彼にはあるのでしょうけど、それを話さないということは、私達がそこからの作戦を聞いて、同盟の件を断られれば、困る理由があるんじゃないかしら？」

ロビンの言葉には説得力があった。確かに向こうは早く話を進めたそうにしていたし…裏切りとまでは行かなくても、何か隠したいことがあることは確かだ。

「トラ男は警戒されても仕方ないってことか…」

「私ならそう思うわ」

ロビンのお陰ですっきりした。

「おーい！A、ロビン、フランキー！行くぞー」

そして私達はシーザー捕獲へと向かったのだが…

気がつくと、檻の中だった。研究所へ正面突破しようとしたら、シーザーがじきじきに現れ、突然息ができなくなってこのザマだ。ガスガスの実だったか…まさか空気中の物質まで操れるとは思わなかった。

「Aも目が覚めたみたいね」

ロビンの肩にもたれかかっていたようで、謝ってから、周りを観察する。

どうやら研究所の内部のようで、外よりも随分暖かい。檻の中には私達四人以外にも、トラ男とスモーカーとメガネちゃんがいた。全員が鎖で縛られている。恐らく海楼石だ。だが、異世界人の体質のお陰で、カナヅチにならないし、海中でも力も抜けないということもあり、私には海楼石であろうと関係ない。いつでも能力を使って脱出は可能だ。

だが、そうできないのは檻の外にいる2人せいだ。1人は緑のウェーブのかかった長い髪と腕の代わりに付いている大きな羽、鳥の脚…その姿は神話のハーピーそのものだ。顔は老婆じゃなくて、ごっさ美人だけども。

もう1人はなぜか黒いサングラスをかけたイカつい男で、相当な覇気の使い手ということだけはこの場にいても分かる。(ただし、勝てないとは言ってない)お茶目でなのか分からないが、口元にハンバーグがついているせいで、そっちに意識が自然と向かってしまう。