HERO.159 ページ27
『いやぁ、一時はどうかることかと…』
今思えば、合格なんてできるはずないと思ってたから、
ものすごく安心してる。
「…Aちゃん」
うつ向きがちのデクくんは
拳を握って、
顔をあげて、
「ごめん！！！！！」
と、勢いよく頭を下げた。
頭下げるスピードはやっ。
首もげそう。
「…Aちゃんがいなかったら、きっと……」
『いやいや、私は特になにも……足ひっぱっただけだよ。
二人がゴールしてくれてよかった』
目をふせて笑うと、
勝己は小さく舌打ちをした。
「…てめぇ……ざけんなよ」
『え、……っ！？』
胸ぐらを捕まれ、
目の前にはいつも以上に眉間のシワが深い勝己の顔があった。
「俺は、認めねぇぞ」
『認めてないって……なにが』
「最後のあれ」
身を呈して、
オールマイトの腕から二人を逃がしたあれ。
「納得、いかねぇ！！！」
『…。
納得もなにも、
あの時点で私はもう足手まといだったじゃないか』
だからこそ、できること。
それは自分の身を持ってして、動けるヒーローを助け出すこと。
『それとも、なに。
あのまま全員で不合格になれと』
「んなこと言ってんじゃねぇんだよ！！」
「か、かっちゃ」
「てめぇは黙ってろや…。
クソナード、てめぇだって納得してねぇんだろうが」
「…」
デクくんは口をつぐんで、
俯いた。
(肯定…)
「…100歩譲って、俺達に否があったとする」
いや譲らなくても君に否があるだろ。
「それでもよォ…自己犠牲してまでしてこちとら、合格なんざしたかねぇんだよ！！
自己犠牲が美だとでも思っとんのか！？
ふざけんなよ！！！」
『じゃあ、なにさ……。
自分の心配してなにもしないでただ指咥えてろって！？それこそふざけんな！！』
「んなこと言ってねぇだろうが！！！」
『そうとしか聞こえない！！！』
久しぶりの喧嘩だった。
何年ぶりだろうか。
『私は、あの判断が間違いだったなんて思わない！
ヒーローは、身を呈して守ってなんぼでしょ！？』
「その身を呈して守って死んでいった奴を見たお前の気持ちはどうなんだよ！！！」
『！！』
【ごめんな】
「残された奴らは、どーすんだよ…」
【自己犠牲が救われた奴らはどうなる】
相澤先生の言葉が、
私の頭のなかをかけめぐって、
勝己を掴んでいた右手は、
力なくベッドに落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 754人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ - こんばんは。コメント失礼致します。とても素敵な作品で楽しく読ませていただいております！ですが特別編の勝己くんと一緒 3にて「北朝鮮」を表現の一部として使われておりますが、こちらは取り消したほうが良いと思います。国際問題に関することですので。 (2018年5月17日 1時) (
レス) id: 4b4b197e1d (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 特別編の3人との話しがもう最高すぎてやばいです！本編もおもしろいです！更新がんばってください！ (2018年3月11日 21時) (レス) id: 42849da78e (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 初めましていきなりですが本編の続き気になりすぎます！！続き早く見たいので更新頑張ってください！！！！！ (2018年2月11日 3時) (レス) id: b07e3f90c5 (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed7a0d951 (このIDを非表示/違反報告)
ルッカ - あぁぁぁぁめっっっちゃ続きが気になる……応援してます！頑張ってください！ (2018年1月4日 0時) (レス) id: e083ca4c6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絞凛 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月8日 1時
