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高い塔は登れない / 王馬 (ヤンデレ) ページ42

目の前の出来事に、オレは驚愕と絶望が混合した不思議な感情を抱いた。
だって、オレ達の関係ってそんなに簡単な物じゃ無かったはずなのに。
オレはAちゃんを愛してて、Aちゃんもきっとオレを愛してくれている。

筈なのに、どうして視界に入る君はオレじゃない誰かと目を合わせて、言葉を交わして、笑ってるの。

尽きない疑問を塔のように積み上げていった。
そんなことをしていたら時間は経過していくわけで、気がついたときには目の前にいたはずの彼女は居なくなっていた。

はは、と自分を嘲笑し、なるべく感情を表に出さないように得意の嘘を貼り付けた。
あの笑顔が、オレにしか見せなかったような笑顔が忘れられなくて、今にも呪い殺せそうなくらい憎しみが募っている。

廊下にコツコツと靴の音が反響する。
前方から聞こえたそれは、オレの理性をぶち切った。



「…Aちゃん、ちょっといい?」


「あ、王馬くん…いいけど、何で空き教室なんて…」



相手の言葉を遮って、細い腕を掴む。
かなりの力だということは自覚しているが、制御ができない。

嘘。制御できない振りして、Aちゃんと少しでも一緒にいられなかった事への八つ当たり。

奪われたくない、奪われたくない、消えないで、離れないで。
っていうのは本当なんだけどね。



「ねえ、痛かった?痛かったよね?オレはそれ以上に痛かった。どうしてオレから離れたの?オレに飽きた?オレとは遊びなの?オレに何か原因があるなら直すよ。嘘ばっかり吐くから?うるさいから?嫌な事ばっかするから?」



かなりの饒舌に自分でも驚いた。
全部本心で、全部不安。
さっき建てた高い高い塔が一斉に崩れ落ちて、瓦礫の下敷きになっているのがAちゃん。
オレに怯えていて、助けなんて来ない。



「王馬くん…ごめんね」



 





(そういう優しい所が)


(大嫌いで、大好き。)




 






 




______
ヤンデレ尊い

リクエストありがとうございました!

理想論 / 王馬 (微ヤンデレ)→←噂が届いた / 星



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設定タグ:ニューダンガンロンパV3 , ダンガンロンパ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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蜜柑 - 面白かったで〜す!!真宮司君がいなかったのが辛いけど…ヽ(´▽`)/これからも応援してます! (2018年6月30日 20時) (レス) id: 57247c1913 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - と思ったら…ご丁寧に縦読みしてって書いてあった…(´;ω;`) (2018年6月23日 19時) (レス) id: 84ea3b1735 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 見つけちゃった…31ページ…最後の所…縦読みすると………「3月9日誕生日です」って………w (^^) (2018年6月23日 19時) (レス) id: 84ea3b1735 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん - Fooooooooo!(便乗) (2017年8月28日 15時) (レス) id: 847c7d369f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^天海君の話、全部読みました^_^天海君、かっこいいですね^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年8月19日 22時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御虎柴@超絶怒涛の天海厨
作成日時:2017年2月13日 3時

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