その瞳は【ニューダンガンロンパV3】

見透かす　/　獄原 ページ25

才能を持った人材が集められる廃墟のようなこの才囚学園は、見た目に反してとても清潔だった。
…虫一匹居ないほどに。


「あのさ、虫さんについてどう思う？」


「うーん…怖いのもいるけど蝶々とかてんとう虫とかは可愛いと思うよ！」


「そうだよね！良かったぁ…！
此処にも虫さんがいればなぁ…」


獄原ゴン太は昆虫博士であり、野性育ち故に、虫が一匹もいないというのは有り得ない事だった。
だからこの状況にはショックを受けたが、虫に対しての理解者をたくさん見つけられたのですぐ立ち直ることができた。


「ゴン太くん、此処から出れば沢山の虫さんに会えるね」


「うん！一刻も早く出たいよ…でも…」


「どうしたの？」


「あ、ううん。何でもない！」


コロシアイを強いられている環境もあって尚更早く脱出したい所だ。
…だけど、彼には秘密があった。
皆とまだ過ごしていたい、ということと、
鶴橋Aが好きということ。
お互いに心から何かを言い合える関係があったからこそだと思う。


「…あ、あのさっ！」


「ん、何？」


「…ご、ごめん！忘れちゃった！」


「ははは、ゴン太くんの忘れんぼ〜」


気持ちを伝えようと努力はするも、いつも言う直前で邪魔が入ったり勇気が出なくなったりする。
紳士としてこれではいけない。
…毎回そう思って、決心して、言おうとするんだ。


「ね、ねぇ！Aさん！」


「今度は…何？」


彼女は少し苦笑しながら、人を見透かすような目でこちらを見た。


　






(ゴン太くんの気持ち、)


(もう分かってるから)


(ちゃんとゴン太くんから伝えてね)




　











＿＿＿＿
更新遅れましたすみません
来週もちょっと遅れると思います

相対　/　星→←〃

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