前原「手を離したのは俺だ」

光の手2 ページ4

前原side



『いつもありがと』



Aの作り笑いにも飽きた
本当の笑顔が見たい



前原「晩御飯それだけでごめんな」



『迷惑かけてるしこれで充分だよ。
前原のお母さんにお礼言っといて？』



前原「わかってる」



小さな口でパンを食べていた
お腹空いてるんだな



前原「皆はAの
良さがわからないんだな」



『また呪われた子について考えてたの？
私は気にしてないから忘れてよ』



気にしないはずないのに
また嘘をつくんだ



俺がAを守らないと



翌日の放課後



『前原。帰ろ？』



前原「わかった」



Aの手を握り立ち上がらせる
回りからは笑い声が聞こえてきた



「市川さんって幼稚園児？」
「保護者がいないと帰れない子供なんだよ」



前原「Aを悪く言うなよ」



Aの手を強く握った
バカにする声は止まらなかった



「前原も大変だよね。いつも家まで送るとか」
「しかも歩く速さも合わせてるんでしょ？」



「私だったら遅すぎて置いていくかな」
「市川さんを置いていったら呪われるよ？」



『前原…。今日は１人で帰るね。
いつもごめん…』



Aは俺から手を離し
走って廊下に出た



当然見えてなく何度も壁や人にぶつかっている
その度皆は笑っていた



「良かったじゃん。前原」
「市川さんがいると帰るの遅くなるしね」



前原「黙れよ」



俺は廊下に出た
磯貝と会ってAがいる場所に行く



不思議といる場所がわかる

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