前原「手を離したのは俺だ」

光の手23 ページ25

Aside



次の日から女子の行動が
エスカレートしていった



上靴にがびょうを入れたり
襟元にまち針を刺したり



水をかけてきたりお腹を蹴られたり
精神的に限界が近づいていた



前原「A」



『どうしたの？』



前原「大丈夫か？」



前原や磯貝に心配かけたくない
だから私はいつも嘘をついた



『頭冷やしたくて水を被ったの。
ちょっとやり過ぎたかも』



無理に笑って誤魔化した
そんな日々を繰り返す事１ヶ月



私は人間不信になった



隣にいる前原や磯貝まで
信じられなくなった



ごめんね



「前原君。市川さん借りるね」



『ちょっと行ってくるね…。
すぐ終わるから』



いつもの校舎裏
これで何度目だろう



「今日は奮発してこれ買ったの」
「それって……スタンガン？」



震え始める体
逃げたくても腕を掴まれているから無理だ



大声が出せないようタオルをくわえさせられた
お腹にスタンガンが当たる



「どうなるかな？」
「早く！」



首を左右に振るが無意味
お腹に電流が流れる



『ヴゥｯ』



意識が無くなった



前原side



俺は気になって校舎裏に行った
俺は目を見開いた



電流を流され倒れるA
心配する事なく笑う女子達



前原「お前ら何やってんだ」



「前原君!？」
「私達は害虫を追い払おうと」



前原「今すぐ消えろ」



女子達はどこかに行った
俺はAの近くに駆け寄る



少しだけ見えた腹があり得ない色になっていた
黒い紫色…



少し手を当てるだけで
Aの体が震えた



俺がもっと早く気づいていれば



“私は大丈夫。だから絶対に来ないで”



あんな言葉無視しとけば良かった
俺はAを抱えて家に帰った

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