前原「手を離したのは俺だ」

光の手22 ページ24

前原side



先生の話が終わり教室に行く
Aの姿が見られない



前原「Aは？」



「さっき女子に連れて行かれたよ」
「前原も大変だよね」



俺は学校の中を捜した
でもどこにもいない



窓からちらりと見えた
女子から酷い事をされているAの姿が



俺は急いで校舎裏に行った
ついた時には女子がどこかに行っていた



前原「A…」



『先生の話終わったんだ。
早かったね』



Aは立ち上がり濡れた服を絞っていた
俺はAの頬に触れた



前原「冷たい」



『１人で帰る練習をしてたら
溝に落ちちゃったの。汚いから触らないで？』



前原「……」



俺は無言でAを抱き締めた
濡れるとかそんなのどうでもいい



『前原？私 汚いよ。離れた方がいいよ』



Aが俺の体を押す
俺は更に力強く抱き締めた



前原「ごめんな」



『何で謝るの？私１人で落ちたんだよ？』



Aの優しい嘘が心に刺さる
Aは俺に心配かけたくないんだな



前原「俺の服着とけよ」



カーディガンを脱ぎ
Aの肩にかける



『ありがと』



前原「体が暖まるまで抱き締めてやるよ」



俺の腕の中にすっぽり入るA
一瞬涙が見えた



『暖かい』

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