前原「手を離したのは俺だ」

光の手21 ページ23

Aside



私の隣に磯貝が座る



磯貝「ちょうど休憩時間だから」



『磯貝は働き者だね』



手さぐりでカップを探す
磯貝が私の手を掴んで位置を教えてくれた



『ありがと』



磯貝「また痩せたのか」



『そんなにガリガリに見える？』



前原「太った方がいいよな」



太りたくても食欲が無い
確かに最近ふらふらする



『痩せすぎじゃなくて
これが標準なんだよ』



磯貝「こけたら骨を折るんじゃないのか？」



『大袈裟』



３人で色々喋り磯貝の
休憩時間が終わると私と前原は家に帰った



次の日の放課後



前原「悪い。先生に呼ばれて少し遅くなるわ。
教室で待っといてくれるか？」



『わかった。待ってる』



前原「早めに終わらしてくる」



前原が教室を出た
私の回りに誰かが来る



「ちょっといい？市川さん」



女子の声
数 多いのかな



連れて行かれたのは外
校舎の裏で普段は誰も来ない



「市川さんのせいで前原君が腐るんだけど」
「目が見えないから特別扱いとかズルい」



いつものあれか
私は無言で女子の話を聞いていた



「何か言いなさいよ」
「無言なのがムカつく」



体を強く押された
バランスを崩し後ろに倒れる



冷たっ…
水が通る溝に尻餅をついた



「汚い。しかも臭い」
「ダサいね。もっとやろうよ」



溝にある水をかけられた
お腹を何度も蹴られる



「楽しいね」
「毎日やらない？」



全身冷たくて痛い
これが毎日続くのかな

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