前原「手を離したのは俺だ」

光の手12 ページ14

前原side



俺は朝御飯を食べて部屋に戻った
窓からちょうどAの部屋が見える



前原「ぁ……」



思わず声が出てしまった
Aは部屋の隅に座って泣いていた



小さな肩が揺れる度
俺の胸が締め付けられる感覚だった



今すぐにでも行きたい
でも母さんがいて行けない



まだ何も食べていない
きっとお腹は空いているはずだ



俺は磯貝にメールした
内容はAに食事を持っていってほしい事



磯貝もパン１つ買えない程
貧乏じゃないだろう



磯貝から了解というメールが来た
これで少しホッとした



磯貝が来るまでAを見てた
まだ泣いてる…



数分後
磯貝がAの部屋に入ってきた



Aの涙を拭っていた
俺が拭ってやりたかった



俺が抱き締めてやりたかった
見てると辛いのでベッドに寝転んだ



何でこんなにモヤモヤしてるんだろ
何で磯貝が羨ましいと思うんだろ



磯貝side



今Aを抱き締めている
鼓動が早いけど聞こえてないよな？



磯貝「少し落ち着いたか？」



『うん。ありがと』



Aにおにぎりをあげた
おいしいと言いながら食べてくれた



磯貝「Aは
“呪われた子”じゃないのにな」



『仕方ないよ』



Aが食べている間
乱れているAの髪の毛をとかしていた



磯貝「綺麗な髪」



『そうかな？』



Aの髪は綺麗でさらさらで真っ直ぐだ
触っているだけで気持ちいい

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