前原「手を離したのは俺だ」

光の手11 ページ13

前原side



“前原がいないと寂しい”



何度も頭の中で繰り返される
そんな言い方されると期待してしまう



Aって俺の事が好きとか？



ありえない
幼馴染みだぜ？俺ら



俺の腕の中で寝息を立てるA
寝顔が可愛い



俺らは一生幼馴染みでいい
恋人になったら磯貝が気まずい思いをする



それに恋人だと欲が抑えきれず
理性が保てずAを傷つけてしまう



傷つけるくらいなら幼馴染みのままでいい



俺はAを強く優しく抱き締めて眠った
思った通り暖かくて心地いい



翌日の朝



最悪な朝が始まった
母さんの怒鳴り声で目が覚めた



母「陽斗。何で呪われた子と寝てるの？」



母さんがAの腕を引っ張り
ベッドから引きずり出していた



『痛っ……。ごめんなさい』



前原「Aをどうするんだ」



母「家から追い出すわ」



Aが引きずられている
俺はすぐベッドから飛び出し母さんを止める



前原「ちょっと待ってくれよ」



母さんの手からAの腕を剥がす
Aを抱き締めた



『前原…』



母「これは陽斗の為にしている事なのよ？」



前原「Aは呪われた子じゃない」



Aの手が震えてる
泣くのを堪えてるんだ



母「早く出ていって。
２度と陽斗に近づかないで」



母さんは再びAの腕を掴み
外に放り出すように家から出した



母「罰として当分食事抜きだから」



母さんは勢いよくドアを閉めた
Aは何もしてないのに

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