時には素直になることが大切 ページ45
その剣技は、まるで。
舞姫のように、可憐で、軽く、そして。
沖「くッ…!!!」
「…あり、これ避けられるのか。」
繰り出される一撃は、あまりに重い。
沖「(クソが…!!こっちの振りは当たりゃしねぇッ!!)っ、だらぁァッ!!!」
「おっと!」
女の動きは今まで見たことのない類のものだった。
俊敏で、軽く、雲の様だとも、獰猛な獅子の様だとも思えた。
ーーーーー強い。
勝てない?
沖「、こ、のッ…!」
「くっ…!」
バンッ!!バシィッ…!!
ヒュッ!!と鋭い突きが繰り出され、身を捩ってギリギリでかわす。が、バランスが崩れたのか疲れが出たのか、足が僅かにもつれた。
女はそこを見逃さなかった。
ギュッと強く音を立てて床を踏ん張り、大きく竹刀を振りかぶる。
慌てて体制を持ち直し、受け止めようとしたその時。
近「そこまで!!」
ビシッと空気が引き裂かれた。気がした。
女は肩で息をしながら、ピタリと制止していた。
沖「ッ、ハッ、ハァッ…こん、どうさんッ…!」
近「そこまでだ総悟。これじゃお前ら相討ちだ。」
「ハァッ…フゥ…いや、参った。強いね。流石に。」
そう言って竹刀を肩に置いた女からは、先程までの殺気はすっかり鳴りを潜めていて。
変わらない、飄々とした笑みがその顔を満たしていた。
…相討ち?
ーーーー冗談じゃねぇ。
あのままだったら負けていたのは俺の方だ。
……いや違う。負けもしねぇが、勝てもしねぇ。
単純な技量の差じゃない。
こいつからは同じ匂いがする。
数多の戦場を駆け巡り、生き抜いてきた者に染み付いた、匂い。
旦那と同じ、血と硝煙の…修羅の、香り。
近「いやはや驚いた!総悟とここまでうちあえりゃ、上等だ。歓迎するよ、A殿!上には俺から話をつけよう。」
「まじかやったぜ給料ゲッツ。」
俺は竹刀を置き、女の元へ大股で近寄った。俺より少し、背の低い女ーーーAは、キョトンとした顔でこちらを見上げていた。
俺は無意識に、そいつの手を取っていた。
細くて白い、女らしい手。けれどその手のひらには何回も何回もできては潰れを繰り返したであろう、剣だこが沢山あった。
「ーーーん?んん?」
沖「…真選組一番隊隊長、沖田総悟でさぁ。これから、その、よろしく頼むぜ。」
近「総悟が、あの総悟があんな事をッ…!!」
土「近藤さん、江戸に戒厳令をしこう。おい、お前ら大至急動け!」
『はい!!!』
沖「てめーら後で覚えとけぃ。」
報告はキチンとする事→←年上の部下ができるとちょっと対応に困る
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るー(プロフ) - まろ 様 ありがとうございます!! (2018年10月9日 21時) (レス) id: f73768fb7d (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - 凄く面白いですね! (2018年10月8日 13時) (レス) id: 00309ab547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るー | 作成日時:2018年9月16日 19時