銀魂さくらさくら (ページ42)

今日:16 hit、昨日:17 hit、合計:25,241 hit

面接は第一印象が肝心ページ42

土方side

土「近藤さん、どうする。」

近「うーーーん…すまないな。今回は、縁がなかったと思ってくれ…申し訳ない！また、待っているぞ。」

肩を落としトボトボと帰って行く後ろ姿を見送り、履歴書をシュレッダーにかける。
新入隊士の募集は定期的に行なっているが、割と当たり外れが多い。
近藤さんは人がいいから、誰でも彼でも抱え込もうとするが…それでもやはり一定のラインてのは存在する。

氏も素性も知れん奴、剣術の覚えがない奴、取り敢えず公務員という肩書きだけを求てくる奴…こんな奴らはハナから願い下げだ。

どうやら今回はハズレらしいと、ため息をついた時。

「たーのもーーー！」

どこかで聞き覚えのある、高い声が響いた。

長い髪を横で一つにまとめた、紺碧の瞳を持った女。

近「あ、君は何時ぞやの…！？」

Aはにこやかに両手をヒョイと持ち上げた。

「どうも、その節は世話になりました。あ、これ激辛せんべいと乃木の月ね。甘いモンと辛いモン。」

土「律儀な奴だな…で？」

「うん？」

土「お前は土産だけ置きにきたのか？それとも、面接でも受けにきたか？」

冗談のつもりだった。
女を取るつもりなんざ毛頭なかったし、務まるとも思えなかった。
どこまでも飄々としたこいつを、少しからかってやるつもりだった。

なのに。

Aは少しだけ目を見開き、腰に刺した刀を揺らして笑った。
その一瞬、ほんの一瞬だけ、空気が凍る。

獰猛な、獣を思わせる凶暴な笑み。

深い紺の瞳の中に、確かな煌めきが見えた。

「ーー両方さ。隊士を募集してるんだろ？面接受けに来たんだ。」