銀魂さくらさくら (ページ34)

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感動の再会は案外あっけないページ34

夢主side

万事屋銀ちゃん

……ふざけた看板出してやがる…

土方さんと別れた後、階段の途中で立ち止まり、出て来たのはそんな感想だった。
心臓がいやにバクバクなっている。
どうしよう、柄にもなく緊張してきた。

何せ、アイツと会うのは数年ぶりだ。
幼馴染みとの感動の再会なんて、したことないから勝手がわからん。

何を言おう？何て言おう？
顔を見たらどうする？まず最初にかける言葉は？
あれ友達との挨拶ってどうやるんだっけ。
手とかあげるんだっけ。右手あげるんだっけ左手あげるんだっけ。視線はどこに置くんだっけ。私達はどこから生まれてどこに行くんだっけ。眼球ってどこに置くんだっけ。
てか、なんか離婚はしてなかったけど別居してた妻に何十年間もの時を経て会いに行く的な。伝説のロケンロー的な。そんな謎の緊張感なんですけど。

「いやむしろ幼馴染に会うのってそんな大事？むしろいらないんじゃ」

？「あのー…？」

「ふぉおおおおおおぃッ！！！」

後ろからの申し訳なさそうな声に思わず大声が出る。慌てて振り向くとスーパーの袋を持った見るからに地味そうなメガネが

メガネ「誰が地味そうな眼鏡だゴルァア！！てか何で表記もメガネ！？」

…鋭いツッコミをする眼鏡が立っていた。
眼鏡くんは眼鏡をくいっと掛け直して「何ですか、あなた。人んちの前でブツブツと」と訝しげに訪ねてきた。
うん、確かに。怪しさMAXだよなどう考えても。

「あ、や、すまなんだ。そのう、人を、訪ねてきたんだけど。えと、君の名前は？」

新「人探し？依頼ですか？僕は志村新八です。」

「めが…新八くんか。いや、この店にいる人間を訪ねてきたんだ。」

新「眼鏡って言おうとしたよね。今眼鏡って言おうとしたよね。」

「ここに…その」

新「無視かおい」

ーーーー坂田銀時、という人は、いるかな？

新八君は何の気兼ねもなく。

新「銀さん？この時間ならいると思いますよ？」

感動の再会は案外、随分容易く叶うらしい。