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人は意外な特技を持ってるものだ ページ19

夢主side

「ほんっとにお前はデリカシーの欠片もないな。」

坂「あははは、あははは!そげなモノ、臍の緒と一緒に落としてきてしまったわい!」

大きく晴れ上がった頬が引きつれるのだろう、笑った後に痛みに耐えるような顔をした。ザマァ見ろ。

坂「お前さんこそ、女らしさをどこに捨ててきたのかのう。見てくれだけはええんじゃ。おとなしゅうしてりゃええのに。」

「時代は変わったんだよ。女はちょっと強いくらいが丁度いいの。」

坂「右ストレートをキメてくる女は女と呼ばん。亀●興毅と呼ぶ。」

銀「おーい、Aー!」

「銀時?」

下の縁側を覗くと、銀時と小太郎、晋助が酒を持ってこちらに手を振っていた。
手招きしてくるものだから縁側に降りてやり、どうかしたのかと問えば。

銀「一曲歌ってくれよ。桜も月も、こんな綺麗だしよ。」

赤くなった頬を緩め、上機嫌にそう頼んで来た。
…またか。

「また?何度も言うけど、俺が唄うより遊郭にでも行って歌ってもらえばいいんじゃねぇのか」


そう、俺は歌うのが好きだ。
昔、松陽が俺の声を綺麗だと褒めてくれたのが嬉しくて、 それからというもの歌うのが半ば習慣のようになってしまっていた。
鼻歌程度に歌ってたのを晋助に聞かれてから、何を気に入ったのか事ある毎に歌ってくれとせがまれるようになったのだ。

まぁ、嫌というわけではないのだが。
ただ、調子が狂うのだ。こいつら、歌った後だけは酷く素直になるものだから。


高「お前さんの歌が好きなのさ。遊女じゃ比べ物になるめぇ。格別だ。ここにいる連中は皆、お前の歌に惚れ込んでらァ。」

「……さーすが、色男は女を褒めるのがうまくてらっしゃる。」

坂「全くじゃ。金時、見習うぜよ。」

銀「うるせーモジャモジャ坊々のくせに。ま、A、一発頼むわ。」

桂「戦の疲れを癒してくれまいか。」

ああもう本当に調子が狂う。
やけに優しい顔しやがって。断れなくなるの知ってんだろうが。


「…はぁ。物好きだね。はてさてどうしたもんか…何がいいかね。」

高「お前が決めてくれりゃいいさ。」

「そうさなァ…なら。」








ーーーーこの桜に、ふさわしい曲を。

さくら、さくら→←白は意外と透ける



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るー(プロフ) - まろ 様 ありがとうございます!! (2018年10月9日 21時) (レス) id: f73768fb7d (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - 凄く面白いですね! (2018年10月8日 13時) (レス) id: 00309ab547 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るー | 作成日時:2018年9月16日 19時

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