【東海オンエア】きっと明日の夢は見ない

番外編 ページ9

「ねぇねぇ、てっちゃん」





彼女のAが、今仕事が終わって帰ってきた。

いつも疲れた顔して帰ってくるのに今日はやけに嬉しそうな顔をしている。






「ん？どしたー？」






「今日ね、新しいバイトの子が入った！」






「おー、良かったやん、人足りん言ってたし」







なるほど、それで嬉しそうだったのか。

そう思ったけどどうやら違ったみたいだ‥






「うん！それはすっごい助かるんだけどー、
なんと、その子超絶イケメンなんです！」






「‥ふーん」





「でね、あたしが教育係に選ばれちゃって、明日から仕事楽しみでさー」







あーはいはいそうゆうことですか。

それでやけに嬉しそうだったんですねそうですかー。

そりゃおっさんおばさんしかいない職場にイケメンの男子が入ったらテンション上がりますよねー。







「ふふ、妬いてる」





「妬いてねーわ」






「あーそー、じゃあ明日そのイケメンの連絡先聞いちゃおーっと」






「‥なんで」






「妬いてないんだったら別に連絡取っても問題ないよねー？」






「それはまた違うやん」







「何がですかー？」








あーダメだ。
余裕を持った男のフリをしてみたけど、やっぱりAにはかなわん。








「心配やからやん！そのイケメンと話すの禁止！半径30センチ未満に近づくの禁止！！」






「最初からそー言えばいいのに」







そう言ってAは笑う。

心配に決まっとる、妬くのなんか当たり前やん。

３年半付き合ってもびっくりするくらいAへの気持ちは衰えん。






「Aは俺だけ見とけばいーの！！」







いつまで経っても、Aは永遠に俺だけのお姫様。

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