本当の赤○は泣き虫で、そんでもって強がりな俺の恋人でした。

22話〜黛side〜 ページ24

「ねぇ〜、A〜。うちら今日カラオケ行くんだけど、一緒に行かな〜い？」







おーおー、相変わらずのモテっぷりだな。






Aの周りには、いつも香水臭くて、甘ったるい声を出す女達がくっついている。









今までのアイツだったら誘いに乗るだろうが…









A 「わり、俺用事あるから。」








ほお。








「えぇ〜？またぁ〜？最近ノリ悪くな〜い？」








赤○と本気で付き合うことになった、そう報告されたのは3日ほど前のこと。









A 「ああ…俺、彼女出来たんだよね」









教室中がざわめく。








「ま、マジで！？お前、いつの間に！？」








Aにいつもくっついて回るチャラチャラした奴らも目を剥いている。








A 「まじまじ、大マジ。……割と本気で付き合ってる。」









………こいつら、Aが付き合ってるのはあの赤○様だ、って知ったらどうするつもりなんだろうか。








そう考えていると、Aと目が合う。









A 「………………しーっ。」









人差し指を口元に運び、こっそりと俺に笑顔を向ける。








やめろ。俺は男にそんな事をされてもなんの得にならない。つかキモいわ。









その気持ちが伝わったのか、Aは面白がってかまた笑った。









「ど、どーゆーヤツなの？やっぱモデル？」








女達は焦りを感じたのか何処かたどたどしい。








A 「秘密♪…でも、すげー大事な子。」









によによと笑うAは正直キモかったが。









…幸せそうでよかったな。



なんて思ってしまった。









おっと、駄目だ駄目だ。






リア充は爆発しないとな。









黛 「………お前には、幸せになって貰わなきゃな。」









口が勝手に、小さく呟いていた。

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