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朝重たい瞼を擦りながらベットから降り、意識がないと言ってもないままリビングへと向かった。

もう朝食はできていて、ボートしながらご飯を食べた。

うっすら目を開けてニュースを見るとそこには大きな文字とアナウンサーの人と目が合った。

【またしても心中か!?!獣人と人間の死体発見】

"心中"
最近よくこの言葉がニュースを見ていると、見かけることが増えた。

異種族と人間の恋を認めて貰えない世界の中でも恋に落ちてしまう彼らが稀にいる。

まるでロミオとジュリエットみたいに。

彼らはどんなに抵抗しても認めてもらう事なんて無いわけで。
その彼らが至った最終手段。
それが心中である。

認めて貰えないのであれば愛した人と最後を共にする。
来世では結ばれるように。

きっとそんな想いがあるのかもしれない。

最初の事件があったのは、今年に入ってすぐだった。

1月下旬、裏山で妖精族の女と人間の男性が毒死をして死んでいるところを発見された。

その2人は互いの小指に赤い糸を結んでいて向かい合って亡くなっていたらしい。

小指の赤い糸。
それはまるで【私たちは運命だ。】と言っているように私は見えた。

その2人の近くには紙切れがあったらしい。
そこには

「こんな世界に生まれたことを私たちは恨むことしか出来ない。これが私たちの幸せだ」

と書かれていたらしい。

"こんな世界"とはきっと異種族と人間が恋に落ちることが出来ない世界のことだろう。

その事件から1週間後、今度は田舎の山の中で獣人と人間の死体が発見された。
その2人も小指に赤い糸が結ばれていたらしい。

最初の事件からもう6月。

おそらく全国で何十件はあっただろう。

意外と言うか私は凄いなと思う。
そもそもどうやって関わることなんて出来るのだろう。

出会い系サイトでさえも人間と異種族で分かれているのに。

もちろんこのことは世間では話題になっており、1部では法律を変えろと言った世論も上がっている。

まあ無理もないのかもしれない。

心中する人達の年齢はみんな若い。
若い命を恋愛で落とすなとでも言いたいのだろう。

「早くご飯食べちゃいなさい」

『分かってるって。』

私は母から言われた通り最後は、喉に流し込むようにパンを食べた。

そこから急いで支度をし、家を出た。

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作者名:nano | 作成日時:2020年12月1日 0時

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