及川徹が彼女を作らない理由【及川徹】 (ページ6)

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及川side

あれは俺が中３の頃、体育館に行く途中で一人の女の子とぶつかった。

及川｢あっ、ごめんね！大丈夫？｣

そう言うとその女の子は、目付きを悪くしながら俺の事を睨んだ。

『あ゛？』

俺はその子の圧に怖くなったと同時に、そんなこと女の子からされたこと無かったから余計にビビった。

花巻｢え、中学の及川ビビり？｣

岩泉｢だせぇな｣

及川｢ちょっと、黙って！？！｣

俺の事を見て顔を赤くしないのはもちろん、あんなガン飛ばしてきたから、俺はその子のことを気になって仕方がなかった。

ある日、掃除に向かう途中、背の高い女の子と周りにはその女の子よりも背の低い男子が複数人いた。

靴の色からして恐らく1年だろう。

男｢おまえ、背でっかいなぁ｣

男｢なっ、性別生まれ違ったんじゃね？｣

男子たちはからかっているが、その女の子は少し悲しそうな顔をしていた。

そりゃあ悲しいだろ。
異性にそんなこと言われたら、俺ならそんな事言わない。

そう思っていると、ある男子がその場を通った女の子に声をかけた。

その女の子は前に俺の事を睨み付けた女の子だったから少し興味が湧いた。

男｢なあなあ、A、お前もこいつでかいと思うよな？｣

『ん？まあ見ればわかる。身長いくつなの？』

そう言うと背の高い女の子は｢169.5｣とボソボソと言った。

『へぇ、モデル身長なんだ。凄いね』

俺の事を睨みつけた女の子は満更でもないようにそういい、その場を去った。

そう言われた女の子は、少し恥ずかしがってその子の背中をずっと見ていた。

一方で、周りの男子はつまらなそうにその場を去った。

俺は目を見開いた。

きっとモデル身長と言ったあの子は何気なく言ったのだろう、それでも身長が高い女の子にとっては凄い心強かったんだと思う。

俺はその光景を見て、話しかけてみたいと思った。

大体俺が話しかければ、女の子は嬉しくなって話に乗ってくれる。

あの子もそうだろうと思い、1人のときを狙って話しかけた。