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一通り歌い終わったあと、そいつは「一緒に帰るか?」と猫を撫でて抱っこをした。
その猫は嬉しそうに、ニャーといいそいつの顔に擦り寄せる。
その時の嬉しそうな笑顔が可愛いと思った。
そのままそいつは猫を抱いて公園を出たから、恐らく家に帰ったのだろう。
俺はその場にしゃがみこみ、よく分からないこの気持ちに戸惑いと焦りを感じた。
きっと俺の顔は今紅い。
鏡なんて見なくてもわかる。
11月という時期なのに、体の体温が上がっていくのがわかるからだ。
俺は混乱した気持ちのまま家へと走り出した。
話してみたい。
また会いたい。
またあの歌を聞きたい。
今度あった時は、絶対話しかけようとその日誓った。
高校に入り、直ぐにAの存在に気づいた。
やはりあの容姿ではいやでも目立つらしい。
俺は、Aに軽音部に入らないかと躊躇なく誘った。
それはあの歌が聞きたかったから。
なにかAとの接点が欲しかったから。
Aは、俺の誘いに直ぐに乗ってくれて、今では下ネタなどを普通に言える仲良しだ。
Aが影山飛雄に恋をしていることは本人よりも先に気づいてたし、両想いということも薄々気づいていた。
本当は、そんな奴よりも俺の方がお前のこと知ってるって言いたかったけど、電話で相談を受けた時Aは本気で影山飛雄のこと好きなんだと思った。
俺と同じように、Aも本気で影山飛雄に恋をしている。
そう思うと、Aの恋の邪魔をしようなんて出来なかった。
俺は良い奴で、かっこいいからAのことは影で支えようと思うぜ。
Aの1番の友人として。
だから、影山飛雄。
付き合わないと本当に殴るからな、コノヤロー。
あ、もちろん泣かせたら殴る。
別れたら俺が貰うからな。
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早乙女自分で書いてて良い奴だと感じた今日この頃。
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コッペパン(プロフ) - まじで面白くて好きです!あの夏の青春ソングって青と夏のことですか? (2021年2月23日 12時) (レス) id: 35bad60104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nano | 作成日時:2020年10月29日 23時