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「真っ赤じゃねェか」
「そう言う十四郎さんだって、」
「ばっ!これは夕日のせいで...!」
よくある言い訳をして
彼はいつものようにそっぽを向いた
「ふふ」
「何笑ってんだよ」
そう言って私の顔を見た十四郎さんは笑った
「旨いモンでも食った後かよ、
大層幸せそうな顔してんじゃねェか」
「だって幸せなんですもん」
___貴方と1番好きな景色を見れたから
___私なんかを想ってくれてたって、分かったから
夕日が沈み、だんだん空が暗く染まっていく
太陽の光で目立たなかった月が綺麗な事に気づく
「幸せ、か」
彼は吸い終えたタバコを口から外し、続ける
「俺もだ」
「っ、十四郎さん」
「この手で命を殺めてきた上に
これからも殺めて行く野郎だ。
俺は幸せになっちゃいけねェのは分かってる」
「人を殺めた事なんて...私も同じ、ですよ...」
俯く私をなだめる様に、手を包んでくれる
彼の体温が温かくて、心地良い。
「でも気づいちまったんだ。
こんな俺でも___ずっと幸せだったことにな」
包んでくれている手の力が強まる
だけど、それは全然痛くなくて、
そこにお互いが存在していることを確かめるような
触れているを確信させるようなもの
「Aが笑ってる事、楽しそうに話してる事
旨そうに飯食ってる事」
「お前が隣にいる事、それが1番の幸せだって」
嬉しさで声が出ない
本当は彼の名前を呼びたい
「私もそうだよ」って伝えたい
「A」
目の前が歪んで、十四郎さんの顔が見えない
1度瞬きをすると、頬に溢れて出た物がつたり
キラキラと視界にピントが合う
「もう一度、俺にお前を護らせてくれねェか」
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アリス(プロフ) - 土方さんと夢主の掛け合いが面白くて好きです。続きが読みたいのでパスワードを教えて頂けませんか。 (2023年3月1日 18時) (レス) id: fa39a80a2b (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - とても面白く読み入ってしましました^_^続編が見たいのですがパスワードを教えて欲しいです! (2023年1月15日 0時) (レス) @page32 id: 461476dfbe (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 初めまして(*^^*)とても面白くて一気に読んでしまいました(*Ü*)続きがとても楽しみです! (2021年12月16日 8時) (レス) @page32 id: 11788a0a7e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - すいません!続編を読みたいのですがパスワードを教えて欲しいです! (2021年5月20日 3時) (レス) id: 2d7922dff3 (このIDを非表示/違反報告)
紅華 - 鬼嫁に番傘のパスワード教えてください! (2020年12月10日 18時) (レス) id: f59dac198f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんぱん | 作成日時:2020年5月29日 0時