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"____現実を見ろ"
"お前は人間と夜兎のハーフだ"
何でお兄ちゃんの妹じゃないの
何で私は自分の父親を___?
真実を告げられ、私の頭の中はゴチャゴチャだ
「そんなに夜兎なのが嫌?」
地上に送ってくれている神威に心配される
「そうじゃないよ、ただ...」
此処までくると、夜兎でも何でもいい
「ちょっと困ってるだけ」
「...そっか」
雨は止んでいた
「今度俺と勝負しようよ」
「嫌」
「ノリ悪いなあ」
「だって夜兎に勝てる訳ないでしょ」
「えー」
神威は色んな方向からパンチや蹴りを入れてくる
だけど、当たりたくないから避ける
「うん、"純人間"じゃないね」
満足そうに彼は言った
「晋助は何を考えてるかよく分からないけど、
自分を知る機会になったね」
______できれば知りたくなかった
私が屋上で刀を振るった日から
不審に思い調べていたのだそう。
あの日あんな事をしなかったら
今でも本当の事は知らないままだったのかな__
.
.
神威と別れ、屯所へ帰ると
大広間に隊士達が集まっていた
「...座れ」
十四郎さんに言われ、総悟の隣に腰を下ろす
「どこ行ってたんですかィ」
「内緒、」
「山崎ィ!報告しろ!」
「はい!えっと...!
何人もの女性を誘拐したあの夜兎についてです」
此処でもあの人の話するのか___
そう思うと胃が押しつぶされそうになる
「あの3人、特に大将と呼ばれていた男が強いと言われており...」
山崎の話を耳が聞かないようにシャッターを下ろす
「_____...部下2人の名前はわかりませんでしたが、
大将の名前は分かりました」
〇〇じゃねーか?
いや〇〇だろ!と隊士たちが名前当てゲームを始める
「セイジ...」
私は"父の名前"を口に出した
「Aさん、あたりです!」
「幾ら何でも一発で当てんなよー!」
お兄ちゃんが茶化しを入れてくる
________お兄ちゃん、と言っても良いのだろうか
「世界の"世"に侍の"侍"。それで世侍でしょ」
そう言い残し、私は部屋を出た
本当なのか山崎!と色々な所で声が上がる
「何でAさんが知ってるんだ...」
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作者名:なんぱん | 作成日時:2020年5月19日 23時