検索窓
今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:60,596 hit

61 ページ30

「本当のお前を教えてやりてェんだ俺ァ」


「本当の私...?」


「嗚呼」




彼は煙を吐いて、少し遠くを見つめる




「前にここに来た時、飯食ったよな」


「はい」





神威に連れられ、初めて此処に来た時
夜ご飯をご馳走してくれた。

美味しかったからよく覚えてる。





「お前、目の前にあったモン全部食ってたけど、
 4人前は軽くあったぜ」




喉を鳴らして彼は笑った



___私は昔から人よりよく食べる

だけど全然太らない。そういう体質






「私なんかより神威の方が沢山食べてましたよ」


「だって俺夜兎だから」






隣にいる彼は笑顔で言った

神威が___夜兎?





「あれ?言ってなかったっけ?」





ポカンとしていた私に彼は首を傾げた

それに対して「聞いてない」と私は首を横に振る





「夜兎ってのはなァ、食べる量が尋常じゃねェんだ」


「だから私も夜兎だって言うんですか...!」


「夜兎とは言わねェ。
 夜兎と人間のハーフ(世侍の娘)って言いェんだ」








嘘____

そんな事ない。だって私は...






「近藤勲の妹、ってかァ?」


「あんなゴリラと全然似てないよ」






そう。
私とお兄ちゃんは全然似ていない。

目も鼻も髪の色、も__






「茶色だった、」


世侍と呼ばれるあの夜兎の髪は、綺麗なその色だった






「それと、俺たちは怪我してもすぐに治るんだよ」




ハッとして撃たれた所を見る

傷跡も綺麗になくなっていた





「何か心当たりでもあるかァ?」





私は自分に言い聞かせるように横に首を振った





「ねぇ、世侍って奴殺したのA?」




次は縦に首を振った




「"親殺し"、だね」


「なに、それ...」


「夜兎の風習だよ。自分の親を殺すのさ
 俺もできなかったのになあ」




「___やっぱり夜兎の血、引いてるんだよAは」





"親殺し"

神威が言ったそれは、私の体に重くのしかかってきた











よく考えてみて___あの日の事を__








世侍は死際、私と話したいと言った




撃たれた所からの出血が止まっているのを見て、
驚いた顔をしていた




誕生日を祝ってくれた




呼び捨てで私の名前を呼んだ








探し物が見つかったと言い、涙を流していた
















もう、分からない___。

62→←60



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
120人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なんぱん | 作成日時:2020年5月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。