54 ページ23
バァンッッッッ
十四郎さんは壊れるんじゃないかってくらいの勢いで
扉を閉めて出て行った
「もう出るからどうぞ、?」
着替え場にいる彼に向かって言った
お互いタオル巻いてるし
すれ違いで入ったらどうにかなるでしょ!論←
取り敢えず上がろう。
ガラッ
「わ、!」
扉を開けると、綺麗な背中が目の前にあった
「おい、お前何で出てきて...!」
私に背を向けたまま彼は言う
髪の毛の間から見える耳は赤くなっている
「入りなよ。と言うかまだ入ってなかったんですか?」
「仕事が長引いてな。
飯前に風呂入んの間に合わなかったんだ」
「お疲れ様です」
そう言って平然を装い、スキンケアを始める
「お前なァ、そんな格好でよくもそんな呑気に...!」
鏡越しで目が合う
彼の腹筋が目に入ってしまって恥ずかしくなってしまう
「早く入って下さいよ。入ると思って出てきたのに!」
動揺を隠すのに必死になって、声が大きくなる
「て言うか!入ってるなら入ってるって言えよ、!」
「はあ?大体、みんなと一緒にお風呂入らなかった十四郎さんが悪いんじゃないんですか!?」
「仕事が長引いたっつってんだろ...!
ほんと可愛くねェお前」
ニコチン野郎に可愛くないとか言われたくないんですげど...!?
いつの間にか私は十四郎さんに殴りかかっていた
その握りこぶしをその上から握られて止められてしまった
「もう一回言ってみなさいよ...!
いい歳してマヨネーズしゃぶるバブの癖に!」
「マヨネーズしゃぶったっていいじゃーん?
減るもんじゃあるまいし!?」
「吸ったら減るだろうが?バカなんですかァ!?」
「もう1回言ってみろ?真剣で勝負するかゴラァ!」
「上等じゃねーの!刀持ってこいや!」
私たちは(タオル一枚の格好で)睨み合い、
言い合い、突掴み合いを続ける
「土方サーン、洗顔料借りてたんで返しに来やした」
ガラッと扉が開き、栗毛の彼が入ってきた
『あ、』
着替え場は一瞬にしてシンとなった
「...そういうプレイですかィ。
本当は俺が
シネ土方コノヤロー」
ピシャッ
『...総悟ォォォォォォォォォ!』
120人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なんぱん | 作成日時:2020年5月19日 23時