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『彼奴らの仲間か。俺を騙したんだなァ?
______いい度胸じゃねェか』
大将と呼ばれる夜兎はニヤッと笑い、私を睨みつける
「女性を誘拐なんかするからよ...
そんな事したって一生探し物は見つからないわ」
『お前ェには関係ねェ。この日だけは人を殺める事はしねぇつもりだったが...今日は例外だ』
傘の先を私に向けた途端、銃弾が飛んでくる
なぜか私の目にはそれがゆっくりに見え
先程と同じ様に簡単に避ける事が出来た。
大将に向かって走り、刀を抜き
上から思いきりそれを振りかざす
しかし、彼の番傘に阻まれ攻撃は阻まれた
『お前...人間の女のクセにやるじゃねぇか』
「っ...こちとら昔から鍛えられてるからね!」
彼の顔を思い切り蹴ると、鈍い音がし、左によろける
それで何かのスイッチでも入ったのか、彼は形相を変えた
目の奥には赤い光が見える
一層過激になった彼の攻撃を阻みながら、私も男に刀を向け続ける
.
.
夜兎と正面から戦っていても勝てない
私の体はそろそろ限界を迎えようとしていた。
一旦体力を回復させようと、彼の前から走って逃げる
ダンッ
その途中、銃声と共に、右足に激痛が走った
一気に力が入らなくなり、その場に倒れこむ
ドクドクと血が体外に出て行くような感覚がし
痛む場所を確認すると、やはり撃たれていた。
『俺相手に此処まで保つ地球人がまだいたとはなァ』
楽しそうに笑いながら、アイツが寄って来る
さすが夜兎___疲れている様子はない
「...殺すの?」
『俺の大切な日を邪魔した罰だ。___死んで償え』
傘の先を私の額に向ける
嗚呼。私は此処で_____
腕時計を見ると深夜0時を15分ほど過ぎていた
2月17日
私がこの世に生まれ、この世から消える日
私の最期は彼に刻まれるのだ
「次は違うやり方で探し物、見つけなさいよ」
『随分とお人好しだな、テメェは』
覚悟を決め、目を閉じた
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作者名:なんぱん | 作成日時:2020年5月19日 23時