マチノソラ23

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「……………綺麗だね…」



「…そっすね………」



「……………熊とかいるのかな」



「シャレになんないんでやめて下さい」




車のシートを倒してフラットになった車内から窓ごしに空を見上げれば、街灯が無いせいで星がよく見える




「…ねぇここどこだと思う？」



「俺が聞きたいっすよ……」



須藤が店を調べ終わって、ちょっと寝ますと寝てる間にどこをどう間違えたのか見知らぬ山道に入り込んだ




そして、ガソリンが無くなった。




「間違ったと思ったら普通引き返しません？」


「私の辞書に戻るという言葉はない。」


「ドヤ顔で言ってんじゃねぇよこんな状況にしといて」




須藤が砂利道の振動で目覚めた頃にはもう手遅れで、戻れってと怒られてギャーギャー言ってる間にエンストした。



しかも、圏外。



助けも呼べず、街の明かりも見えず、真っ暗な中歩くより朝を待った方が良いと車中泊することになった。



「倫也さんまた心配しますねー」


「…………いい。今日帰りたくなかったし」


「また喧嘩？」


「まじムカつく本当あのニヤニヤした顔殴りたい」


「なになに？」


「本当性格悪いよねあの人」


「あははは、今更ですか？」


「今までの彼女もいじめすぎて愛想つかされたんだきっと」


「何されたんすか？」



「……………ちょっと寒くなってきたね」


「はいはいはいもう聞きませんよ」


「何か毛布みたいのなかったっけ」


「俺のジャケット使っていいっすよ」


「須藤は？」


「Aさんよりは厚着なんで」


「ありがと……」


「でもちょっと肌寒いっすね。山ん中だもんなぁ」


「…じゃあさ……緊急事態だし…」


「ん？」


「あったまる事しよっか。」

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