マチノソラ15

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ー後日ー


「ただい………あれ？また浴衣着てったの？」


玄関で浴衣姿で出迎えれば、
きょとんとした顔が靴を脱ぐ


「おかえり。ねぇねぇ今日何の日か知ってる？」


「今日……？………………ごめん、何か記念日とかだったっけ…………、、」


「あははは！違う違う、今日これから花火大会なの」


「あ〜〜花火大会、………。…なに…誰と行くの」



しゅんとしたような拗ねたような顔が可愛い



「誰でしょ〜」


「俺は人混み行けないからね、楽しんどいで」


「ふふふ……あははははは！」


「……………何なの……」



着替えている脱衣所の入口から笑えば



「めちゃくちゃ拗ねてるのに余裕ぶるなって思って」


「……………わかってんならほっといてよ…」



「ふふふふ…………はい、これ着て。」


「ん？え、浴衣？俺の？」


「うん、須藤の借りてきた。」


「……………でも」


「特等席用意してますので」


「特等席………？」






浴衣を着せてあげて誘導したのは、





「じゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん！！お祭り気分にしてみました〜〜〜〜〜〜！」


ベランダにはゴザの前に、焼きそば、たこ焼き、焼き鳥、お好み焼きにチョコバナナ、冷えたビールと枝豆をセットした


「………すげ…Aこれ全部一人で買ってきたの？」


「作りました〜！入れ物のパックもわざと屋台っぽいのにしてみました〜ちなみにカキ氷のご用意もあります！」


「……………」


「…倫也さん浴衣デートしたいなって言ってたから、本当のは中々行けないからどうかなと思ったんだけど…………あれ……あんまり、だった？」



無言の倫也さんを覗けば



「…………ありがと…………」



顔を隠すように小さく言われて



「あれ？泣いてる？」


「泣いてねぇよ」


「拗ねてたのなおった？」


「なおった。めっちゃ嬉しい。」


「ふふ……よかった。あ！花火はじまった！」



打ちあがる音が聞こえてベランダから乗り出す



「あのマンションの影かな〜え〜」


「……………A。」


「んー？」


「花火あがんの逆側だと思うけど」


「えっっ！？」


「川あっち。」


「……………、、、」


「ふはははは、本当方向音痴だよね」


「え〜〜〜〜〜〜せっかく花火見ながら食べようと思ったのに……………」


「ふふふ、じゃあ音だけ聞きながら食べよ」


「うーん…………」


「なにからたべよっかなぁ♪」

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