マチノソラ15

783〜倫也side〜 ページ21

「あ、読む！？」

　

「…………読む？」



「出来たの！！」



「………………？？？」



「めっっっちゃいいの出来たの！！自分で書いといてだけどすっっごい泣ける！！やっばい！！！」



「……………もしかして……、、泣いてたのって…」



「じゃっじゃじゃーんっ！！映画版の脚本の一番盛り上がるシーン！ついに書き上がりましたー！！いぇーいっ！！」



「…………………………、、、」



「こっからまた打ち合わせで変わると思うんだけどめちゃめちゃ自信作〜！！この葛藤の感情がさぁもう最高に上手く表現できたの！何回読んでも涙出る！！」




彼女は満面の笑みの腫れた目でパソコンをじゃーん！と紹介するように見せた。手のヒラヒラ付きで。





「…はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……………、、、、」




しゃがんで顔を覆ってため息を吐けば



「…………倫也さん？どしたの？」



キョトンと覗き込んできた彼女を手の間から睨んだ



「紛らわしんだよお前はいつも……」



「え？あ、ね！読む？読むっ！？」



「はいはいはい読む読む読む」



俺を椅子に座らせた彼女はウキウキと画面をスクロールする



「……ねぇ、じゃあ俺なんで昨日拒否られたの？」


「拒否？」


「…………一人にしてって…。」


「あぁ、だって一番いい所書いてる時にくるんだもん集中できないじゃん」


「……………、、」




そういえばパソコンの画面はついていた。
けど、焦って中身なんか見てなかった…な…。



画面にワクワクと目を向ける
まだ赤い瞼を親指でなぞる



「ん？」


「本当…まだまだだなぁ……」


「なにが？」


「…結構わかってたつもりなのに、まだ毎回予想つかねぇ」


「私？あはは、ごめん。って、ちょっと、え？」




引き寄せて唇を奪えば、体温に安心したのは俺の方で




「心配した分、返して。」


「読むって言ったじゃん！！」


「シテから読む。」


「やだやだ何かすごいやだそれ！めっちゃいい話なんだからまっさらな状態で読んでよ！


「ぐずぐずにえっちした後全裸で読む。」


「さいってー！！」


「ふはははっ、うん、最低でいいから今日はAの肌が恋しい」



「…………どしたの…」



「ダメ？」



「……………その顔は、ズルい……、、」

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