706〜須藤side〜 ページ46
「お疲れ様です」
「ん。」
肘をついたままグラスを上げて微笑んだ顔は
どことなく痩せたように見える
「ハイボール。」
バーテンダーに頼んで椅子に掛ければ、倫也さんは
カランと同じハイボールを鳴らした。
「こないだありがと。ごめんね。」
「………いえ」
「もうちょっと信頼しないとだよね俺も…………
…焦っちゃって」
「俺も倫也さんの立場なら同じことしてますよ。現場飛び出さなかっただけ上出来じゃないですか」
「あははは、今日は優しいね須藤くん」
「………大丈夫すか…」
「ふふ……結構キツイ。」
「……っすよね…。」
「会社では元気にしてる？」
「半分飛んでってる気はしますけど普通ですよ」
「そっか」
「……………俺には理解できないっす。」
「A？」
「二人とも。」
「………」
「コントロール出来ないなら諦めて貰えばいいじゃないすか。Aさんには小説だってあるんだし」
「ねー…。」
ふふふと自嘲気味に笑った倫也さんの笑顔は痛い
「…前にさ、A、役者になりたいって言ってた事
あって。」
「…………」
「多分、向いてるんだと思うし、スクールとか通ってある程度やれば良いとこいったんじゃないかと思う」
「…………」
「けど。俺はなって欲しくなくて。」
「…………」
「多分のめり込んじゃうから。現実と役が一緒になって、プライベートも飲み込まれるタイプだと思うんだよね、あの子は。今もそうでしょ？」
「……………」
「だから、役者になって恋愛モノとかやったらその度相手の事好きになって、それが自分なのか役なのかわかんなくなって、俺といるのもしんどくなったりするんだろうなって」
「……………」
「だから、諦めてもらった。俺のワガママ。」
「……………」
「多分Aはちゃんと自分で諦めたって思ってんだろうけど。」
ずるいんだよ俺、と視線を落としながらグラスを回す横顔は口だけで微笑んでいる
「それに、悔しいくらい面白くてさ、あの脚本」
「…………」
「だからさ、今回はやらせてあげたいの。」
「…………」
「……って、割り切ったはずなんだけどなぁ…」
倫也さんは、ん〜…とカウンターにオデコをつけた
「…自分の首締めてまでします？」
「ふふふ……笑っていいよ」
「…笑いませんよ。こんな死にそうになってんのに」
「ふふふ……タスケテースドークーン」
「…………馬鹿。」
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南季(プロフ) - おこげさん» おこげさんお久しぶりです！またコメントありがとうございます♪ 書いてる私が一番変態なので変態センスは結構あるのかもしれません笑 寂しい日々のお話、もうしばらくお付き合い下さい〜！ (2020年11月1日 17時) (
レス) id: 2f4c017e2e (このIDを非表示/違反報告)
おこげ(プロフ) - お久しぶりです。毎日見てました！ここ最近はこんな感じでお話の寂しさはありますが、相変わらずセンスの良さが読んでて伝わってきます。変態って言わせるための流れ、思いつきがすごい…明日も楽しみにしています！ (2020年11月1日 2時) (レス) id: e1a6356b83 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - るーーさん» 当たらないと言われるとニヤニヤしちゃいますね笑 そして初回の方も読み直してくれてるんですね！おかわり嬉しい〜！！ 今後どんな展開になっても温かい目で見守って下されば幸いです…笑 (2020年11月1日 1時) (レス) id: 1be35b4939 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ゆずはさん» 今回は倫也さんをひたすら追い詰めていくシリーズになってますからね笑 二人はこの先どうなるんでしょう…笑 シリアス楽しんでくれて嬉しいですっ！！笑 (2020年11月1日 0時) (レス) id: 1be35b4939 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - はるさん» はるさんまたコメントありがとうございます♪ 最近切ないばっかりなのでちょっと遊んでみました笑 (2020年11月1日 0時) (レス) id: 1be35b4939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南季
| 作成日時：2020年10月12日 20時
