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目を開ければ、いつかの夜空が広がっていた。
「あ、起きました?寒くないですか?」
「須藤……………」
「家まで送ろうと思ったんですけど、Aさん途中で寝ちゃってわからなくて、、多分近くの公園だと思うんですけど」
「うわ…ごめん」
上体を起こそうとするとクラッと貧血のようなめまいがした
「まだ寝てて下さい、頭フラフラしてると思うんで」
後輩に膝枕させて上着まで取って、お礼の焼肉のはずが、最悪だ……………
「まじでごめん………」
「………Aさん……、なんかありました?」
「……………」
「最近元気ないし、さっきも急に泣き出すし………。俺で良ければいくらでも聞きますよ。こう見えて口は部長の財布の紐より硬いんで」
「あははは………それはすごい硬さだねー。
で、今度は何奢ってほしいの」
「……………いらないっすよそんなの。……ただAさんには、仕事でビシバシ鍛えられて、そんでバカみたいな冗談言い合って、……………ずっと笑っててほしいだけです」
「ふふふイケメンすぎでしょ須藤……」
「……………じゃあ俺と付き合います?」
「あははは、なんでそーなんのよ」
「……………」
「なにやってんの。」
暗闇の中に聞き慣れた声と、視界の端にはあの時と同じ帽子が揺れた。
「……誰ですか?」
こんな時に会うなんて……
「……………ちょっと、知り合い………」
小説を書いてることは会社には言ってない。
もちろん、倫也さんのことも
「それ誰、彼氏?」
「………違います……………」
ゆっくり上体を起こせば、頭がぐわんと回って須藤に支えられる
「大丈夫ですか」
「うん、大丈夫………」
「どうしたの」
「…ちょっと酔っただけです……………」
「またお酒?もしかして日本酒のんだ?」
「別にAさんが何飲もうと勝手じゃないですか、なんなんですかこの人」
「飲んだんだ……………へぇ……………」
怒ってる、低い声。
「須藤、ごめん、もう大丈夫だから、一人で帰れる。今日は本当ごめんね、また埋め合わせするから。」
「いや送りますよフラフラじゃないですか」
「君家知ってんの。」
「え、いや……………」
「じゃあ俺が送るから、はい。」
ベンチの前に屈んで背中をむけられる
「いや、大丈…」
「早く。」
断るという選択肢が無いことをその一言で知り、ゆっくりと体重を預ける
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南季(プロフ) - 葵花さん» 葵花さん2周目&嬉しい言葉ありがとうございます!須藤はずっとそんな感じですよね…笑 長い旅になりますがゆっくりまわってきて下さい♪ (2021年11月1日 6時) (レス) id: 3a2f744c0e (このIDを非表示/違反報告)
葵花(プロフ) - 久しぶりにキュンキュンしたいと思い、2周目にやってまいりました!!このころからもう、須藤が可哀想で、、倫也さんは尊いし、倫也さんに対しても、この作品に対しても、好きという言葉が止まりません!! (2021年11月1日 3時) (レス) id: 8ffe339636 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ゆみゆみさん» ゆみゆみさん、最後まで大事に読んでくれてありがとうこざいました。大切な仲間って言ってくれて嬉しいです。また何度でも彼らに会いに来て下さい♪この先のお話は、またいつか♪♪♪嬉しい気持ち伝えてくれて、ありがとうございました! (2021年8月16日 21時) (レス) id: 5c3131b6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみゆみ(プロフ) - 南季ちゃん、さっきやっと全部読み終えました。大好きなお話だから大切に大切に読んで、私の中でみんな大切な仲間で、倫也さんもやさんで、ともやさんじゃなくてやっぱりともやさんで(笑) この世界が大好きすぎて、ロス状態です。また会いたいなぁ。 (2021年8月16日 21時) (レス) id: 41c9e973f0 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - まさかのましゃかど!さん» こちらにもコメント嬉しいです!携帯壊さないように気をつけて下さいね笑♪ 今日分今から更新しますね♪ (2021年3月22日 22時) (レス) id: 80e9fd99a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南季 | 作成日時:2020年3月29日 14時