マチノソラ3

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「お、早かったね〜」

「お疲れ様っす」

「…………………………何やってんの。」


目の前には仲良さげに焼き鳥を頬張る恋人と後輩。


「ここ安いんすけど美味いし個室あるしいいんすよ」

「ねー知らなかったこんな店」

「ちょっと、」

「Aさん何飲みます？」

「ビールにする？」

「あ、今日は飲ませていいんすか？」

「ん〜3杯かな〜」

「2人で勝手にすすめないで！」


ナチュラルすぎる2人のやりとりにとりあえず座ってビールを頼めば、どういうテンションでいればいいのかわからなくてやり辛い。


「旅行の話聞きました。楽しかったみたいでよかったっすね」

「……うん」

「でも、大変でしたね……………」

「ん？」


「…行きの高速、トイレ間に合わなかったって……」


ギッ！と倫也さんを見れば、あははははは！と爆笑しだしておしぼりを思いっきり投げつけた


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っしてないっ！！」

「え？」

「嘘だから！この人の言うこと真に受けないで！！」

「あ、違うんすか？」

「あと5分遅かったら間に合わなかったよね？」

「倫也さんちょっと黙って！」

「あ、ギリだったのは本当なんだ。
でもAさんそういうとこありますよね。仕事はミスしないのに自分のことになると本当抜けてるっつーか」

「はぁ！？」

「あはははははやっぱそうなんだ。会社でもよくあるの？」

「聞きます？こないだなんですけど……」

「やめろやめろ！何この飲み会！！」


来たばかりのビールをグイッと飲み干せば、いい飲みっぷりだね〜とからかわれた


「てか……いつの間にそんな仲良くなったの二人。」

「ふふふ、何か話してみたら気が合ったみたいな？」

「話してみないとわかんないもんすね」

「………嬉しくない。私は全然嬉しくない。」

「こっち的には報告あがってくるから安心してるけど」

「え？」

「Aが靴下左右違うの履いてきたとか寝癖つきっぱなしとか」

「はぁ！？」

「観察してると1日1個は何か見つかります」

「そんなことする暇あったら仕事しなさいよ！

「しっかりやってますよ〜Aさんが有給とった分まで〜」

「……………っ、」


乱暴にボタンを押すと、また2人で話し出す

「あれ聞きました？社長ハゲオヤジ事件。」

「なになにそれ」

「須藤ッッ！」

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