マチノソラ3

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翌朝、早朝から仕事があるらしい倫也さんは私が目を覚ますと既に着替え終えていて、寝起きの私をぎゅっと抱きしめてから、いってきますと簡単にキスをして部屋を出て行った。


会社につけば、いつものオフィスがいつもよりあったかくみえた。



「おはよ。」

「……おはようございます」

「昨日はごめん、心配してくれてありがとう」

「………仲直りしたんすか」

「うん」

「……………、、良かったっすね。」

「うん。……………てか何で家知ってたの？」

「中華奢って下さい。北京ダックあるとこ」

「は？なんでよ」

「あとフカヒレも食いたい」

「だから…………」

「言っといてください。」

「え？」

「二回目は無いからなって。」

「え？倫也さんに？どういう意味？」

「……………」

「ねぇちょっと！無視すんな後輩！」









平穏な一週間が過ぎて、予定通り定時で上がった私は、スーパーに寄ってから合鍵を回し、倫也さんが買ってくれた薄いストライプの入った黄色いエプロンをしめて準備に取り掛かっていた


「ただいま〜」

「おかえり……………」

いつもの懐かしいやりとりが、当たり前の幸せを実感させてくれる。


「ん？どしたの？」

「……………アサリが……………」

「お、パエリア美味そう！」

「………アサリが死にました……………」

「え？」

「ねぇちゃんと手順通りやったのに何で開かないのこれ？レンチンしたら開くかなと思ったら、中身が……………」

「あはははは、本当だカッチカチ」

「せっかくうまくできたと思ったのに………」

「ん、でもうまいよこれ。大丈夫大丈夫海老さんは生きてる。腹減った。食べよ？」

「うん……………」






「「いただきます」」


「ん、美味い。Aも食ってみ」

「ん……………。うん、美味しい」

「ふふ」

「あ、今日21時からある映画みていい？」

「ん、なに？」

「なんかめっちゃ怖いホラー」

「うん。ホラーは怖いだろうね」

「普通のホラーと違う怖さなんだって！」

「……………ホラーか………」

「……………今やらしいこと考えたでしょ。」

「……………うん、楽しみにしてる。」

「変な想像するのやめてもらっていいですか」

「おかわりもらいまーす」

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