マチノソラ3

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「…………もう言ったらダメかと思ってた…」


「…………なんで？」


「だって……俺が仕事する度に傷つけんのかと思ったら……………。」

「……………ごめん…」


「本当に、嫌じゃないの……？」

「…………うん」


「…お似合いでイチャイチャしてるって……」

「葉山さん？飲み会の時はまぁいつも隣にいるなぁって思ってたけど……仕事だってわかってる。むしろ本の中のカップルが現実にいるみたいで嬉しいよ」

「…それはそれで逆に複雑なんだけど……」

「ふふ、ごめん嬉しいは嘘ついた。でも、倫也さんの仕事モードとそうじゃないのはわかるから」


「理解できないって言ってたのは………？」

「演技のことはわからないけど、でもそこは私は分からなくていいかなって思うし、倫也さんの考えてることは大体わかるよ」


「そうなの？」


「芝居の事と、あとはほぼえっちなことでしょ？」

「……………、、、」


「……………そこ否定しないんだ……、、」


「………これからもキスシーンとか、ベッドシーンとかあるよ…………」

「だからそれは倫也さんじゃなくて中村倫也だから大丈夫っていってるじゃん」


「また写真撮られるかもしれないよ」

「また腕組まれて笑ってるのだったら次は殴る」


「……………A、」

「……………」

「ごめん。」

「……………」


「…嫉妬して、喧嘩売って、傷つけてごめん。連絡もずっと無視してガキみたいなことしてごめん。俺だって誤解されるような写真撮られたくせに、Aのことばっか責めて、」


「…私こそ、自分の悪いところ棚に上げて倫也さん責めた。心配してくれただけだってわかってたのに、ムキになって………」


「……バカみたいに心配しすぎなのはわかってる…。でもやっぱり危なっかしくて、大丈夫かなって気になって、いつも手の届く所に置いときたくなる………心狭くてごめん。」


「ううん、お酒、本当は桃井さんの事以外にも失敗してたの自分でわかってたからカッとなった………飲んでもいいって言ってくれたのに、心配かけるようなことしてごめん」

「……………ん……」


「……………」


ゆっくりと離れてから、目を合わさずに、少しずつ試すようにお互い顔を近づけて、初めての時のように唇だけを合わせれば、それだけで離れた。

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