マチノソラ3

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パタンと玄関の扉が閉まって、静けさが訪れる

「……………」

「……………」


「………遅くなって、ごめん」


「…………、、」


「…………最後に言われたこと、ずっと考えてた。」

ゆっくりと沈んだ声が響く。

「…………、」


「Aが……あんな風に思ってんの知らなかった。芸能人とか、一般人とか、そんなん関係ないって言えるようにしてたつもりだった」

「あれは…………っ、」


「…………これからも、同じような事何回もあると思う。色んな人と共演するし、仲良くもなる。現場の雰囲気って作品にも影響大きくて、絶対出てくるから俺にとってはすげぇ大事で。
………だからAからしたら色んな所で距離が近く見えるかもしんない。…………でも、もしその度にAが嫌な思いするんなら……」



「……………」



「……正直、どうしていいかわかんねぇ…。」


「……………」


「…………我慢してくれっつーのも嫌だし……じゃあそれやめんのかって言われたら、それは………」

「……………」


「…………………でも俺は…っ、、………」



言ってはいけない呪文でもあるかのように、倫也さんは拳を作って言葉を飲み込んだ。



「……………私ね……、葉山さんとのニュース出た時、怖かった。みんなも認めてて、自信なくなって…。それで怖くて、悔しくて、不安で………カッとなって試すみたいに思ってないことまで言った。」

「……………」


「本当はわかってた………。……倫也さんがちゃんとそういう括り関係なく私を見てくれてること。大事にしてくれてること。
……わかってたから、わざと言った。倫也さんが一番傷つくの知ってて…………。」

「……………」

「酷いこと言って最低でごめん…………倫也さんが仕事してるの、私好きだよ。大好き。いつも現場の雰囲気作ろうと色んな所気遣ってるの知ってるし、そういうの倫也さんのすごい所だなって思うし尊敬してる。だから、嫌な思いなんて全然してない。本当は違う世界にいるとかも思ってない。私は……っ」



ぐんっ！と抱き寄せられて、苦しいくらいにきつく抱きしめられる



「……………っ、」

「………………A………、っ、」

「………………、」

「…………………………………………好き………」


「……………っ、」

呪文が解けて、絞り出すように聞こえた二文字は、小さく震えていて。私が思っていた以上に深く傷つけていたことを知って罪悪感が押し寄せる

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