浪速漢組の青春物語 (ページ20)

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、

『いや、だから私は
大人しく学校生活を』

「転校初日からそんな怪我して

俺らとやらんかったからって
おとなしい学校生活送れると思ってるん？」

彼は、
私の立っている近くの席の机に腰を下ろし
私の顔を覗き込んでくる。

間近でみるとサラサラの金髪で
不良とのバランスを取っているような可愛い顔。

しかし、言っていることはさっきから全く可愛くない。

確かに、浪速漢組とやり合わなかったからと言って

今朝のことも含めて

もうすでにその辺の不良には噂が
広まっているだろうし

またいつ喧嘩を仕掛けられるかわからない。

「京都のヤンキーってどんなもんやねんって
勝負挑みにくるやつもおるやろうけど

俺らと一緒におったら
その辺の雑魚はこうへんし

逆に俺らも京都のヤンキー従えたって
イメージつけれるわけ」

winwinやろ？なんて

あたかも名案ぽく流暢に説明してくるから

思わずなるほど、と納得しそうになる。

『いや、でも
あなたたちとつるんでしまう時点で

普通の学校生活やないやん』

そもそもの私の目的を忘れないでくれ

と流されそうになった自分に言い聞かせて反論すると

「まーどっちにしろ普通の生活送られへんけど

漢組入ったら
俺らが仲間ってことやん？
ってことっすよね、大吾くん」

後ろの方にいたはずの銀髪が
いつのまにか私の隣にきて

どこか嬉しそうに
私の肩に手を回す。